豪州中銀金融政策記者発表(21/5/6)

2021年5月4日開催分

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豪州中銀金融政策記者発表(21/5/6)

豪州中銀金融政策記者発表

(出所:豪州中銀HPから)

4日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想通り、これまでの緩和策を全て据え置くことを決定しました。
7月会合時(7月6日開催)、新たに3年債のイールド目標とする期間を動かすか、また現行の債券購入完了後に新たな購入するのかなどを考慮するとしています。全般的には経済回復は進展しているものの、雇用とインフレの回復にはまだまだ時間がかかると予想しています。
記者発表の内容は以下の通りです。

(要旨)

今日の会合で、現行の金融政策を維持することを決定した。これには、Term Funding Facility(TFF:中銀の短期流動性供給)や政府債購入プログラム政策と同様に、キャッシュレート及び豪州国債3年物のイールドを0.1%の目標にすることが含まれている。

世界経済はパンデミックからの回復が続いている。その見通しは今年・来年共に強くなっている。回復度合いはまだ凸凹しており、幾つかの国ではウィルスを抑え込んでいる。世界的な商品貿易は強く回復し、商品価格はほとんどが年始よりも上昇している。しかしながら、インフレは依然低く、中銀目標値以下である。

政府債イールドは堅調で、年初より上昇している。これは米国において、ワクチンに関するポジティブなニュースや追加財政刺激策のおかげである。インフレ期待は歴史的な低水準から中銀目標値に近づく水準まで上がった。豪州の3年債イールドは委員会目標値の10ベーシスポイントにあり、大多数の借入者への貸出金利は歴史的低水準である。豪ドルはここ最近のレンジ内では上限に位置している。

豪州の経済回復は予想よりも強くなっており、それが継続する見通しである。今回の回復はとりわけ雇用に表れている。失業率は3月に5.6%まで下がった。今では雇用者数がパンデミック前の水準を越えるまできている。

GDP成長に関する中銀シナリオの中央値は一段と上方修正され、2021年には4.75%、2022年には3.5%になると見込まれている。企業投資の回復も予想され、家計消費も過去のバランスシートよりは強くなり、下支えされると見られる。失業率は下降傾向が続く見込みとなっており、今年末には約5%前後、2022年末には約4.5%になると見込まれている。

経済活動の強い回復にも関わらず、最近のCPIデータを見ると、インフレ圧力は豪州経済の大部分で抑えられていることが確認できる。インフレと賃金の伸びが予想されるが、それはおそらく緩やかなものになるだろう。中央シナリオでは、2021年に1.5%、2023年に2%になると予想されている。短期的には、CPIインフレは一時的に6月末期に3%越える水準が予想されるが、これはCovid-19関連で価格下落したものの反動である。

住宅市場は一段と強くなった。ほとんど全ての住宅市場で価格が上昇した。(住宅関連は略)

7月の中銀会合で、委員会は3年債イールド目標とする債券を2024年4月まで維持するか、あるいは次の満期である2024年11月に動かすかどうか考慮するつもりである。委員会は目標とする10ベーシスポイントを変更する考えはない。また、委員会は7月の会合で、9月の政府債購入プロブラムの下で第2回の1000億豪ドルの購入完了後、将来の債券購入についても考慮するつもりである。委員会は完全雇用とインフレ目標に向かっての進展を支援する上で、さらなる債券購入を行う準備はできている。委員会は完全雇用に回帰することに最大の優先権を置いている。

(現行のTerm Funding Facilityの関する項目は略)

委員会は豪州内の完全雇用を回復し、インフレを一貫して目標値にしていく上で、高度な金融政策を維持することを約束している。キャッシュレートは実質インフレが目標とする2〜3%に持続的になるまで引き上げないつもりである。これが起きれば、現行よりもより高い賃金の伸びを引き起こすに十分引き締まった労働市場が必要となろう。これは早くても2024年まではないだろう。

(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル・米ドル相場はほぼ予想通りの金融政策内容に発表後も小動きになりました。今後の相場についてはシカゴポジション280を御参照願います。
尚、本日中国当局が、中豪の戦略経済対話の下で行ってきた全ての活動を無期限に停止すると発表し、11時に豪ドル米ドルはスポット0.7750台から0.7701まで急落しましたが、その後は0.7740絡みまで戻しています。
(2021年5月6日15時30分、1豪ドル=0.7740米ドル)

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