先週後半の調整を挟みユーロ安再開へ(週報4月第1週)

金曜の米国雇用統計前にはほぼ週初の水準まで戻していましたが、雇用統計後のドル買いの動きから反落しやや下げる動きで一週間を終わりました。

先週後半の調整を挟みユーロ安再開へ(週報4月第1週)

先週後半の調整を挟みユーロ安再開へ

〇先週のユーロ、安値1.1705、月末欧州市場でポンド買いと月末実需のユーロ買いが加わり反転上昇
〇米雇用統計前には週初の水準まで戻すも雇用統計後のドル買いの動きから反落し下げる形で週を終わる
〇イースター休暇により欧州勢の市場復帰は火曜からで今週は重要度の高いイベントも少ない
〇そのため中期的なユーロ安・ドル高トレンドの再開か短期的な買戻しが続くのか見極める必要性あり
〇今週は1.1680レベルをサポートに、1.1800レベルをレジスタンスとユーロ安トレンドへと回帰する動き

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、月末東京前場まではドル円がリードするドル買いの動きとなり1.1705レベルの安値をつけました。月末の欧州市場ではまずポンド買い、その後月末実需のユーロ買いも加わり反転上昇、金曜の米国雇用統計前にはほぼ週初の水準まで戻していましたが、雇用統計後のドル買いの動きから反落しやや下げる動きで一週間を終わりました。

しかし、金曜から本日まで欧州はイースター休暇で休みとなることもあって、木曜NY市場以降は動意薄の状況が続き、ユーロドルの週間レンジも89pipsに留まり比較的静かな値動きの一週間となっていました。今週も欧州勢の市場復帰は火曜からとなりますし、今週はイベントも重要度の高いものが少ないため、中期的なユーロ安・ドル高トレンドが再開するのか、短期的な買い戻しが続くのかを火曜以降に見極めてからでないと動きにくそうです。

ドル円の週報でもシカゴの通貨先物ポジションを確認しましたので、今週はユーロのポジションも見ておきましょう。

今週の週間見通しと予想レンジ

ドル円のように極端な変化はありませんが、年初から着実に買いポジションが減っている様子がわかります。1月最終週には165,344枚(1枚12.5万ユーロ)あった買い持ちが先週30日時点では73,739枚の買い持ちへと半減以下のサイズになっていて、それまでのユーロの下げと一致しています。

ここからの動きも4月から始まった緊急プログラムによる債券購入の加速などを考えると、これまでのユーロ買いポジションを落としていく動きが継続する可能性が高そうですし、ドル円も110円の大台を超えたことから長期的トレンドがドル買いへと転換したことを考えると、ユーロドルにおいてもユーロ安の流れが継続しやすいのではないかと考えることができそうです。

テクニカルに日足チャートも見てみましょう。

今週の週間見通しと予想レンジ 2枚目の画像

昨年11月安値と今年1月高値との78.6%(61.8%の平方根)押しが1.1761(赤のターゲット)は先々週、1月高値からの逆N波動を考えた場合の127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションが1.1738(ピンクのターゲット)は先週到達し目先のターゲットを達成したことが先週後半の調整による買い戻しと見られる理由です。

しかし、2月高値からのレジスタンスと2月17日安値からのラインで構成される下降ウェッジの中での動きが継続中で、やや角度が急ではあるもののこのウェッジを基本に考えるとよさそうです。現在レジスタンス側は1.1800レベルにありますが、下側はまだ距離があり、まずは先週安値をトライしに行く展開を考えてみたいところです。またコラムで見るポンドドルのチャートも上値が重く、このことも欧州通貨が全般に上値が重くなるという見方の1要因です。

今週もテクニカルな観点から1.1680レベルをサポートに、1.1800レベルをレジスタンスとユーロ安トレンドへと回帰する動きを見ておきます。

今週のコラム

今週はポンドドルのチャートを見てみます。

今週のコラム

ポンドドルは2月高値からは下げて来ていたものの3月22日までは昨年11月安値からのサポートライン(ピンクの太線)の上で推移していました。しかし3月23日にサポートラインを下抜け、その後の買い戻しでは抜けたサポートがレジスタンスとなっています。

ここからの動きを2月高値からの下降ウェッジ(ピンクの細線)の中で考えることは既に上限に達しているため難しそうですが、現在1.38台後半に位置するかつてのサポートラインが引き続きレジスタンスとして効いてくるでしょうから、ユーロドルとともに上値の重たい展開になりやすいという見方をしておこうと思います。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

4月5日(月)
**:** 欧州市場休場

4月6日(火)
18:00 ユーロ圏2月失業率

4月7日(水)
16:50 フランス3月サービス業PMI
16:55 ドイツ3月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏3月サービス業PMI
17:30 英国3月サービス業PMI

4月8日(木)
08:01 英国3月住宅価格
15:00 ドイツ2月製造業新規受注
15:45 フランス2月貿易収支
17:30 英国3月建設業PMI
18:00 ユーロ圏2月PPI

4月9日(金)
15:00 ドイツ2月貿易収支
15:45 フランス2月鉱工業生産

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

3月29日(月)
ユーロドルは終日1.17台後半の狭いレンジの中で方向感が無い状態が続きました。ただ、米金利上昇によるドル買いの影響もあり、どちらかというとユーロの上値が重たい流れとなっていました。

3月30日(火)
ユーロドルはドル円同様基本的にドル高(ユーロ安)の1日となり、東京市場後場までは動きが鈍かったものの、ドル円が110円を上抜ける動きとともにユーロ売りが強まりました。NY市場前場には1.1711レベルの安値をつけ、その後の戻りも鈍いままの引けとなりました。

3月31日(水)
ユーロドルは東京市場ではドル円の動きに沿ってややドル高(ユーロ安)の動きとなりましたが安値は1.1704レベルまで。欧州市場に入ってからはポンド買いとともにユーロでも買い戻しが目立ち、NY前場には月末実需のユーロ買いも重なって1.1760レベルまで買われた後に、引けにかけては1.17台前半へ押して引けました。

4月1日(木)
ユーロドルは東京市場では動きが鈍かったものの、欧州市場に入りユーロが対ドルだけでなく主要通貨に対して買いが強まりました。その後も米金利低下の動きが対ユーロでドル売りが目立つ動きとなりユーロドルは1.1780レベルまで上昇し高値引けとなりました。

4月2日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場序盤にドル円のドル売りとともに若干ユーロ買いとなりましたが、高値は1.1787レベルまでで動きは鈍いままでのNY市場入り。強い雇用統計に反応したドル買いの動きから1.1749レベルへと売られ、若干戻しての引けとなりました。

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