出所:NZ中銀、2016年7月21日公表分
NZの国内経済上向くも日用品価格には下落圧力
本日予定通りにNZ中銀は経済見通しを公表しました。以下は簡単な訳文です。
(要旨)
世界同時的の金融緩和基調や低位な原油価格にも関わらず、世界経済の先行き見通しは減速気味である。明らかな下方圧力がまだ残っている。英国の国民投票後に資本市場のボラティリティは上昇し、世界的に長期金利が低下した。
NZの国内経済は、増加している移民、建設業、観光業、緩和基調の金融政策によって支えられており上向きである。しかしながら、日用品価格は伸びない収入の影響で下方圧力かかり、農業従事者の支出や投資が減退している。
為替レートの下落必要
先々はまだ多くの不確実性が残っている。世界的には成長見通しや商品価格動向である。そして、脆い資本市場の状態や政治リスクの高まりである。国内では、インフレ期待の低下、移民の純増加傾向、住宅市場の上昇圧力、高いNZドルなどに不確実性が存在する。
貿易加重平均でのNZドルは6月時点で公表した見通しよりも6%高くなった。高い為替レートは日用品価格や製造業部門などに一層の(悪い)圧力かかり、加えて世界的にインフレが低下する。これは輸出インフレを低下させるからである。これにより、NZ中銀にとってはインフレ目標を達成することが難しくなる。為替レートの下落は必要なことである。
インフレ率は目標の加減以下、為替レートに原因
住宅価格上昇圧力は依然としてある。これは一部地域を越えて拡大している。銀行は現行の住宅ブームから如何にして資本市場の安定をつくるか沈静化を図っている。
年率のCPI(消費者物価指数)は2016年6月時点で0.4%である。これは中銀目標の下限以下で推移している。長期的には2%越えるインフレになると思っているが、短期的にはインフレ期待が低いままに留まっている。
稼働率の上昇や最近の原油価格上昇にも関わらず、強い為替レートがインフレ見通しをより弱くしている。
金融緩和継続
金融政策はまだ緩和基調を続けていく方向である。この段階では、インフレ目標レンジの中間に、将来予想される平均的インフレ・レートをもっていけるのか確実になるまで、一層の緩和は必要である。我々は今後も経済指標を十分に吟味していく方向である。
(以上)
(注)NZ中銀の経済概観は一部を和訳したものであり、詳細は公表された要旨本文をお読みください。
コメント
中銀の強いNZD高懸念、先々の金融緩和を視野に。
NZ中銀はNZドル高に非常に懸念した内容になっています。わざわざこの時期選んで公表したのはそれなりの決意表明と受け止めた方が良いと思います。先々の追加緩和を視野に入れておいた方が良さそうです。
NZドル/米ドルは、0.7020米ドル付近で推移していたNZドルは0.6950付近まで下落しました。
追加緩和時期は明言していませんが、8月11日にNZの金融政策発表が予定されていますので、その時期までの約3週間はNZドルが弱い状態続く可能性が高くなっています。
尚、先週14日に簡単な経済見通しを公表すると述べる前は1NZ=0.7280〜90で推移し、公表後に0.7190〜00まで下落していました。
(2016年7月21日10:50、1NZドル=0.6977米ドル)
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N$シカゴポジション(2016年7月12日現在)
NZドルのポジションはロングに切り替わりましたが、スクエアに近く、NZの方向感を失っています。
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