ドル上値トライ、いったん仕切り直しも(3/10夕)

10日の東京市場はドルが小高い。前日の欧米時間に調整の動きからドルは小安く推移したが、東京はその巻き戻し、ドル買いが終日優勢だった。

ドル上値トライ、いったん仕切り直しも(3/10夕)

ドル上値トライ、いったん仕切り直しも

〇ドル円、一時108.90-95まで値を上げ、16時現在は108.80-85で推移し欧米市場を迎える
〇日米豪印が12日に初の首脳会談開催と報じられ対中対策が主な議題になる模様
〇引き続き米株と長期金利の動き要注視、中でも10%を超える下落で調整入りしたナスダックに注意
〇本日発表の米2月消費者物価指数や米10年債の入札、カナダ中銀による政策金利発表などに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.30

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが小高い。前日の欧米時間に調整の動きからドルは小安く推移したが、東京はその巻き戻し、ドル買いが終日優勢だった。

ドル/円は寄り付いた108.45円前後を日中安値に、緩やかな右肩上がり。109円にはとどかなかったが、それでも108.90-95円まで一時値を上げている。日米株価や金利の動きをにらみつつも、ドルは終日堅調裡。16時現在、ドルは高値圏の108.80-85円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「対中政策」と「いくつかの金利関連発言・報道」について。
前者は、菅首相がインドのモディ首相と電話会談を行うなか、日米豪印4ヵ国の協力を着実に進めていくことで一致したと発表。また間髪入れずに、CNNが「日米豪印、12日に初の首脳会談開催へ」などと報じ、それがのちに現実のものとなった。対中政策が主要な議題になる模様だ。また、それとは別に香港の英字紙が「米中の外交トップ、アラスカ州での会談を調整中」と指摘し一部で話題となったが、米大統領報道官は「外交トップによる会談の詳細はまだ決まっていない」とし報道を事実上否定している。

対して後者は、ここ最近、米金利上昇が話題となり、為替市場でもドル高の支援要因として取り沙汰されるなか、昨日から本日にかけては米国以外で発言やニュースがいくつか観測されている。たとえば、豪中銀総裁は講演で「完全雇用達成は早くて24年」などと述べ、市場の早期利上げ観測をけん制したほか、スイス中銀の副総裁は国内紙で「現在の金融緩和政策を変更するには時期尚早」との認識を示していた。それに対し、NZ中銀は新型コロナウイルスのパンデミックを受けて導入した「緊急流動性支援策の一部を解除する」と発表している。

<< 欧米市場の見通し >>

3月に入って以降、10日足らずのあいだに3円近いドル高の進行をたどったこともあり、ドル/円の上昇基調にも陰りがうかがえる。実際、昨日東京の109.23円を目先高値に、108.41円までの下押しが観測されていた。110円を目指すという大きな方向性に変化はないものの、ドルの高値トライもいったん仕切り直し。短期的には、調整の動きが先行する可能性も否定できないようだ。

このあと動静が注視されているのは、引き続き米株と長期金利の動き。そのなかでも目先高値から10%を超える下落をたどり本格調整局面入りしたとみられるナスダックの動きには要注意か。昨日ようやく下げ止まると、3%を超える大幅な反発を記録しただけに、調整局面が早くも終わったのか否かが注視されている。また、それとは別に、米金利への関心が高い環境下実施される米財務省による10年債入札への関心も高い。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円はザラ場ベースで連日の高値更新となったが、足形そのものは陰線引け。ドル高一辺倒だった風向きの変化をうかがわせる。ただ、ドルの下値も堅そうで、仮に調整局面入りとしても「価格ではなく時間調整になる」−−といった声も少なくない。108円台を中心に、しばらくは底堅めともいえる展開をたどる可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の消費者物価指数という米経済指標が発表される予定となっている。事前予想値では前月から伸びが加速する公算が大きいと目されるだけに、実数値如何では相場の波乱要因になりかねないかもしれない。また、前述した米10年債の入札や、カナダ中銀による政策金利発表などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.30円。上方向は、本日東京で超えられなかった109円レベルの攻防に注目。超えれば昨日記録した109.23円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値である108.41円が最初のサポートとして意識されている。大崩れするイメージには乏しいものの、108円をしっかり下回ると、その限りではないだろう。

ドル上値トライ、いったん仕切り直しも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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