米2月雇用統計の予想(21/3/5)

日本時間2021年3月5日22時30分に発表予定です。

米2月雇用統計の予想(21/3/5)

米2月雇用統計の予想

本日は米雇用統計の数値が発表されます。相場は新大統領就任ハネムーン(100日間)期間の半ばを経過しました。就任後の米経済は大きく楽観論に傾き、株高・金利高・ドル高が先行し、ここにきて金利高を嫌気した株売りとなっています。この状況下で、今日は回復遅れ気味の雇用に焦点が当たります。

今回の予想

今回の予想

(3月5日9時現在)

NFPとADP社

NFPとADP社

前回1月数値は失業率が大幅改善し、NFPは予想を下方修正値含め大きく下回る数値となりました。NFPはネットで12月に▼8.7万人、11月は▼7.2万人の下方修正により1月の実質はマイナスでした。失業率は雇用保険給付がコロナによる上乗せ支給期待により、積極的な職探しをしなかった模様で改善傾向になっています。新大統領の追加経済対策が実施されてからの職探しになると報じている記事も散見されます。尚、政府関係者は5ヶ月ぶりに増加(1月4.3万人)しました。

さて、今回のNFPは19.8万人増の予想になっています。水曜日発表のADP社は予想+17.7万人に対して+11.7万人、1月上方修正2.1万人加えても予想以下になりました。但し、上記表の過去1年間を見ても、ほぼNFPとADPが拮抗していますので、政府関係者が多いNFPから見ると、仮に+19.8万人が出ても少ない感じに見えます。但し、上表はコロナ後の政府関係者の減少(▼132万人)が大きく影響している様です。この分を差し引くと▼843万人ですので、逆に言えば今回の+19.8万人はかなりの改善になります(あるいは政府関係者の増加が増える)。
また、今月分の加算でコロナ後1年間になり、予想通りなら、まだ1,000万人弱の雇用減です。GDPの60%以上占める個人消費の回復はここまでの経済対策が一部を担っている形です(あるいは追加対策期待の消費)。尚、予想レンジを加味した数値は▼998.4〜▼944.9万人になります。また平均時給の予想レンジではマイナスもありますので、NFPが予想通りでも、これがマイナスになると相場に影響がでそうです。

下図はドル円週足チャートです。昨日は遂にドル安トレンドラインA(=107円50銭)の抵抗線を上抜けました。週足ですので、今日の終値次第ですが、上ヒゲになるとは言え、一度抜けているので、短期はドルが強い状態を維持します。目先はC(=108円10銭)に抵抗線があり、こなせばD(=109円70銭)、2018年10月高値からはE(=110円50銭)の抵抗線が控えています。Eまでの間にまだ幾つかの抵抗線があるので、中長期のドル安トレンド内でドルの戻り高がどこまであるのかを探る展開が続きます。下値はF(=105円20銭)を切れると、今年からのドル上げが終了し、再度B(=101円80銭)方向を狙う構えに入ります。
今日は雇用統計の数値が予想を超えた場合に、10年債金利が直近高値1.61%を越えてくるのかがドル買い継続に繋がり、その後は株価へ影響(下落)が出た場合に、資金回帰のドル売りか、リスク回避のドル買いになるか注目したいと思います。

NFPとADP社 2枚目の画像

(2021年3月5日10:25、1ドル=107円85銭) 

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