Jホール会合注目、レンジ放れへの期待感も
〇ドル円、105.95-00で寄り付くも終日を通した値幅は30ポイントに届かず基本はレンジ取引
〇中国、南シナ海へ中距離弾道ミサイル発射、米国は対中制裁を強化
〇本日、日本時間22:10頃パウエルFRB議長が講演、前後からの価格変動に注意
〇本日発表の米4-6月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数内容にも注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.50-106.50
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、レンジ内での一進一退。NYタイムに注目材料を控えていることもあり、全体的に様子見が強く、積極的な動意は手控えられていた。
ドル/円は105.95-00円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。終日を通した値幅は30ポイントにとどかなかった。
複数週刊誌が報じた「安倍首相の早期退任説」や、鈴木日銀審議委員からの発言、「実需の円売りが大きいもとでは投機的な円買いを仕掛けにくい」などが一時話題となる局面も見られたが、レンジを抜けていくほどの動きには至らず。16時現在では、106.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中関係」と「ハリケーンならびに台風」について。
前者は、香港紙が報じた「中国軍が26日朝、内陸部の青海省と沿岸部の浙江省からそれぞれ中距離弾道ミサイルを1発ずつ、南シナ海に向けて発射した」とのニュースがそこここで話題に。ちなみに、のちに米国防当局者は「中国が発射したミサイルは4発」と述べ、報道を微妙に修正していたもよう。また、それとは別に、米商務省と国務省が「南シナ海めぐる関連企業24社に対中制裁強化」する旨を発表したほか、WSJ紙は「エスパー米国防長官、各国に中国との軍事面での関係縮小や中国包囲網への参画を呼び掛けた」と報じ、こちらも思惑を呼んでいたようだ。
対して後者は、アジア地域の北朝鮮において、国営テレビが異例ともいえる「台風関連の特別放送」を続けていたことが話題。また、「金委員長が25日に台風への厳重警戒を指示」といった報道も別途観測されている。一方、米国ではハリケーン「ローラ」が勢力を強め、5段階のうち2番目に強い「カテゴリー4」に発達したことが警戒感を高める結果に。テキサス州とルイジアナ州の州境近くのメキシコ湾岸に壊滅的な被害をもたらす、などといった当局の発表も観測されていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
今週一週間を通した最大の材料と目される「ジャクソンホール会合」のパウエルFRB議長の講演が、本日NY時間にいよいよ実施される。ちなみに、そんなパウエル氏の講演の題目は「FRBによる金融政策の枠組み見直しについて」だ。9月15-16日に次回FOMC会合が予定されるなか、どれだけ踏み込んだ発言がなされるのかを注視している向きが少なくない。いずれにしても、講演の開始予定とされる日本時間22時10分前後からの価格変動には十分な注意を払っておきたいところだろう。
材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相の健康不安説」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。先でも指摘したように、本日もっとも注視されているのは「ジャクソンホール会合」だが、それ以外でも「米共和党大会でのトランプ大統領の演説」や、明日28日に自身の体調についても言及するとみられる「安倍首相の記者会見」など注目要因が連続する見込みだ。波乱含みの情勢は、明日にかけても継続する公算が大きい。
テクニカルに見た場合、一昨日に続く昨日も一時106円半ばへと達し、ドルの上方向のリスク拡大が指摘されたものの、結局上放れはできず。そののち105円台へと押し戻されている。つまり、月初からの105-107円という2円レンジはいまだ維持されているだけでなく、このあともそんなレンジをブレークする方向性とタイミングが注視されることは間違いないなさそうだ。
本日、4-6月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標の発表が予定されている。「ジャクソンホール会合」への関心が高いことは間違いないが、その少し前に発表される失業保険申請件数の内容、具体的にはマーケットの事前予想でもある「100万件を下回る内容となるか否か」を注視している向きも多い。仮に好数字となれば、「会合前」に一時的にせよドルが買われる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。時間足など短期ベースでは、直近だけで少なくとも3度トライするも越えられなかった106.50-60円が最初の抵抗に。抜ければいよいよ107円レベル、月間を通したレンジ上限がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる105.80円レベルをめぐる攻防に注目。ただし、底堅いイメージで仮に割り込んでも105.70円レベルや105.45円、105.10円など下方向のサポートは数多い。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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