ドル円、パウエル議長講演後に乱高下するも方向感見出せず(8/28朝)

27日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。

ドル円、パウエル議長講演後に乱高下するも方向感見出せず(8/28朝)

ドル円、パウエル議長講演後に乱高下するも方向感見出せず

〇ドル円パウエルFRB議長のインフレ2%超許容発言に一時105.61まで下落
〇一巡後に買戻し圧力が強まると米国時間午後にかけて、高値106.71まで急伸
〇ユーロドル一時1.1899まで急伸後、1.1763まで急落する乱高下
〇ドル円テクニカルに持ち直しの兆しを見せつつ、ファンダメンタルズの弱さが続伸を阻むか
〇ショートカバー一巡に、米金融緩和長期観測→米長期金利低下→ドル売りの波及経路が再開する展開想定
〇本日の予想レンジ:105.80ー107.00

海外時間の為替概況

27日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。@注目されたカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールにてパウエルFRB議長が「平均物価目標の導入及び物価上昇率が2%を緩やかに上回ること」を許容したこと(米金融緩和長期化観測→ドル売り)を受けて、一時105.61(約1週間ぶり安値)まで下げ幅を広げるも、A上記@の一巡後に買戻し圧力が強まると(米インフレ許容観測→米長期金利上昇→ドルのショートカバー)、B米7月住宅販売保留指数の良好な結果や、C米国における新型コロナウイルス平均死者数の減少(ピークアウトの兆し)、D米主要株価指数の上昇(リスク選好の円売り)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値106.71まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、106.61近辺で推移しております。

27日(木)のユーロドル相場は乱高下するも方向感見出せず。@パウエルFRB議長講演後のドル売りを背景に一時1.1899まで急伸するも、節目1.1900をバックに伸び悩むと、その後は、A上記@の巻き戻し(米長期金利上昇→ドル買い)を受けて1.1763まで急落する荒々しい値動きとなりました。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1820近辺で推移するなど方向感を見出しづらい時間帯が続いております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、8/19に記録した安値105.11(7/31以来の安値)をボトムに反発に転じると、昨日は一時106.71まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(パウエルFRB議長講演直後に下落した際も一目均衡表基準線をサポートにその後反発)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策余力の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米新規失業保険申請件数は昨日も大台の100万件台で高止まり→米雇用不安)、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、D米政治不安の高まり(トランプ氏とバイデン氏との差が拮抗)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、引き続きドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます(106円台後半から107円台前半にかけて一目均衡表の分厚い雲が覆いかぶさる為、上値余地は限定的)。米中に関するヘッドライン(米中楽観ムードを打ち消すヘッドラインに要警戒)や、米国の主要経済指標の結果(第7月個人消費支出、米8月シカゴ購買部協会景気指数、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数など)、欧米株及び米長期金利の動向(米長期金利の上昇基調が続くか否か)を睨みながらも、当方では、一巡後のドル円下落をメインシナリオとして予想いたします(ショートカバー一巡後に、米金融緩和長期観測→米長期金利低下→ドル売りの波及経路が再開する展開を想定)。

本日の予想レンジ:105.80ー107.00


注:ポイント要約は編集部

ドル円、パウエル議長講演後に乱高下するも方向感見出せず

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