トルコリラ円見通し 2月7日夜に急落するも2月3日安値割れは回避(20/2/10)

トルコリラ円は薄商いの中で18.30円割れから売りの連鎖反応に見舞われて7日深夜には18.08円まで急落して2月3日安値に迫った

トルコリラ円見通し 2月7日夜に急落するも2月3日安値割れは回避(20/2/10)

【概況】

トルコリラ円は新型コロナウイルスの感染拡大報道を背景としたリスク回避による円高と新興国通貨・資源通貨安に同調して2月3日朝安値18.07円まで大幅下落してきたが、2月3日からのNYダウ反騰によりリスク回避感が緩んでドル円が戻したために上昇に転じて2月5日深夜と6日夕刻には18.36円まで戻り高値を切り上げた。
2月6日から7日にかけては上昇一服で上げ渋りとなり、7日夜の米雇用統計待ちで18.30円台前半の小持ち合いとなっていた。7日夜の米雇用統計が予想を上回る良好さだったことからドル買いが進み、トルコリラ円は薄商いの中で18.30円割れから売りの連鎖反応に見舞われて7日深夜には18.08円まで急落して2月3日安値に迫ったが、底割れは回避して18.27円まで急反騰、8日早朝には18.14円まで反落したが10日朝は18.29円まで戻すなど乱高下となった。

【ドル高リラ安基調続く】

米雇用統計発表後にドル/トルコリラはそれまでの5.985リラ前後での横ばい状態から6.0476リラへ一挙に急騰した。ドル買いリラ売りのテクニカルな連鎖反応と思われるが、この動きにトルコリラ円も煽られ、その後のドル/トルコリラの反落・反騰という乱高下に巻き込まれた印象だ。2月10日早朝には5.985リラまで続落して7日夜の急騰前水準に押し戻されている。
ドル/トルコリラは1月30日高値5.9934リラで1月8日高値5.9881リラを上抜いて昨年8月以降の高値を更新したが、その後は5.98リラを挟んだ高値圏の持ち合いに止まっていた。それが米雇用統計からのドル買いで高値をさらに更新したためにストップロスの買いを集めて急騰となったが、買い一巡後は落ち着いたということだろう。

ドル/トルコリラの上昇基調は継続しており、日足チャート上の抵抗となりやすい高値は2019年5月高値6.2539ドルまで切り上がっている。
メジャー通貨における加重平均であるドル・インデックス(ドル指数)は年末から上昇基調を継続しているが、米10年債利回りの低下傾向によっても流れは変わらず、1月末に小反落した後の上昇で戻り高値を切り上げて昨年11月高値を超えてきている。米国株高が続いていることでのドル買いに加え、ブレクジットの始まった欧州の先行き不透明感によるユーロやポンドの下落、新型コロナウイルスの感染拡大懸念による新興国・資源輸出国通貨への売り圧力を反映したものと思われるが、トルコリラにとってもドル高感が強まってきている印象だ。ドル/トルコリラでのドル高リラ安は、ドル円が110円台で上値の重くなる状況の中ではトルコリラ円への売り圧力を強めるものと思われる。

【新型コロナウイルスの感染拡大問題の影響は?】

トルコでは今のところ新型コロナウイルスの感染は見られず、中国の経済活動停滞により中国産品に対する代替需要がトルコ産品へ向かっているために今後はトルコ経済にとってはプラスになるとの見方もあるが、感染拡大による中国経済の停滞や不況化が深刻化すれば世界景気への波及により新興国景気にも悪影響を及ぼしてくる。観光も一時的なシフトでトルコ観光が注目される可能性もあるが、それよりも世界的な海外旅行の自粛的な動きが始まればトルコにも影響が出てくる可能性がある。また感染者が発生すればトルコ観光への直接的な影響も出かねないと思われる。
新型コロナウイルスの2月10日朝時点での感染死者数は中国本土で904人、感染者数が3万9829人、感染疑いも2万8942人に拡大している。2月8日には空気感染の懸念も生じている。早期の収束見通しが立たなければいずれトルコへの影響も出始めるのではないかと注意したい。

【シリアとの軍事衝突】

2月3日にシリア北西部のイドリブ県でトルコ軍がシリアのアサド政権側から砲撃を受け、トルコ軍が同日にシリア軍勢力に対して46か所を報復空爆した。トルコ国防省は2月6日の公式発表ではシリア北西部イドリブ県でトルコ軍とシリアのアサド政権軍が直接交戦してトルコ軍兵士7人と民間人1人が死亡したとしている。
シリア北西部ではシリアのアサド政権を支援するロシアとトルコが今年1月12日に停戦で合意したが、その後は停戦が履行されていない状況が続いている。
シリアのアサド政権軍は2月5日にシリアにとっての反体制派の拠点であるイドリブ県の要衝サラケブに進軍していたが、2月8日にシリア国営放送はシリア軍がサラケブを完全掌握したと報じている。
トルコはシリア正規軍との全面戦争突入は避けたいとしてロシアと協議しているようだが、今のところアサド軍の進撃を止められずにいるため、全面戦争化へ進む懸念も出始めている。
現状では直接的な為替市場や株式市場への影響は見られないが、軍事衝突が拡大するようだとトルコリラへの売り圧力やイスタンブール株価指数への影響も懸念されるところだ。

【4か月サイクルの新たな底割れを警戒】

【4か月サイクルの新たな底割れを警戒】

トルコリラ円は概ね4か月前後の底打ちサイクルで推移してきた。2018年8月暴落の後は、2019年1月3日、同年5月9日、同年8月26日に底打ちし、8月末底から4か月を経過した今年1月6日安値で直近のサイクルボトムを付けた。1月17日への反騰はこの4か月サイクルによる反騰という側面もあるのだが、新型コロナウイルスの感染拡大問題の発生による下落で2月3日には18.07円まで下げて1月6日安値17.94円に対する余裕が乏しくなっている。
2月7日の下落では2月3日安値割れを回避しているのでひとまず落ち着き、2月6日高値18.36円を超えれば4か月サイクルによる上昇局面はまだ継続してゆく可能性がある。しかし2月3日安値割れから1月6日安値割れへと進む場合は4か月サイクルにおける底割れとなり、新たな4か月サイクルの下落局面入りとして5月序盤にかけて安値試しが続いてゆく可能性も考えられる。

新型コロナウイルスの感染拡大問題が収束へ向かわずに中国発の世界景気後退へ発展する懸念が強まる場合、まだまだ楽観的な強気姿勢を示している米国株式市場が崩れる場合はリスク回避感の強まりによる新興国・資源輸出国通貨への売り圧力も強まって4か月サイクルレベルの下落局面に入る可能性も抱えていると注意したい。またその際は2019年8月のフラッシュクラッシュを除けば18円前後を下値支持線としてきたところからの転落となるため、下落規模も大きくなりかねないという点も念頭に置いておきたい。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)18.20円、次いで2月7日深夜安値18.08円を下値支持線、18.30円、次いで2月6日高値18.36円を上値抵抗線とする。
(2)18.20円以上での推移中は2月7日深夜安値を目先の底として戻りを試す可能性があるため、18.30円超えからは2月6日高値18.36円試しとし、2月6日高値超えからは18.40円台前半への上昇を想定する。18.45円以上は反落注意とするが、18.20円以上での推移中は高値を試す余地ありと考える。
(3)18.20円割れからは下げ再開を警戒して2月7日深夜安値18.08円試しとする。底割れの場合は18.00前後試し、さらにリスク回避感が進んで下げが厳しくなる場合は1月6日安値17.94円試しを想定する。仮に1月6日安値も割り込んで続落に入る場合は17.80円前後試しへ下値目途を引き下げ、さらに先行きの一段安警戒と考える。

【当面の主な経済指標等の予定】

2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 13.4%)
2月13日
 16:00 12月鉱工業生産 前年比 (11月 5.1%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 1.7%)
 16:00 12月小売売上高 前年比 (11月 8.5%)
2月14日
 16:00 12月経常収支 (11月 -5億1800万ドル)
2月19日
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 11.25%。予想 11.00%)

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