ユーロ週報「1.10台でのもみあいとなりやすい」(11月第3週)

ユーロドルは週間レンジがわずか67pipsに留まり、冴えない一週間になったという印象です。

ユーロ週報「1.10台でのもみあいとなりやすい」(11月第3週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、木曜まではじり安、その後週末で急速に買い戻される動きとなりました。下げはドル円での円買いがユーロ円にも見られユーロドルに影響した動きとなっていました。週末に向けてはドル円での買い戻しに加え、ポンドの買いがユーロの買いにも波及したことで、ユーロドルは週間高値を更新しての引けとなりました。しかし、当然ドルとしての動きもあり、ユーロドルは週間レンジがわずか67pipsに留まり、冴えない一週間になったという印象です。

先週の欧州内の材料としてはドイツのGDPが予想に反してプラスとなったことで、これまでのドイツの経済指標の弱さに変化が出てきたと思わせたところに、ECB関係者のハト派発言で売り直されるという動きがありましたが、今週は早速ドイツGDPの改定値が発表されます。予想では前回の前期比+0.1%の成長から変化は無いと見られますが念の為注意しておきたいところです。

英国総選挙まで1か月を切りましたが、保守党同様にブレグジットを推進するブレグジット党党首の発言がポンドを振らせています。いったんネガティブな発言を挟んだものの、基本路線としては保守党を争うことはせず、保守党の進める合意あるブレグジットに近づく流れになりつつあるようです。直近の世論調査(ユーガブ実施)では与党保守党の支持率が42%、労働党が28%となっていて、先週と比べると保守党+1、労働党―1とリードは14ポイントへと若干広がっています。しかし、例によって世論調査会社によってばらつきが見られることや、一部の調査会社では労働党が追い上げているという結果もあり、引き続き観察していく必要はありそうです。

また、今週はラガルドECB総裁の講演も予定されています。就任後最初の講演では金融政策への言及はありませんでしたが、総裁就任後時間も経過してきましたのでそろそろ金融政策への見解も出てくる可能性はあります。ECB自体は包括的大規模緩和を実施していますので、それに対してハト派寄りなのか、タカ派寄りなのか、事前にはハト派寄りと言われてきていますが、実際にどうなのか就任後の本人の発言を何度か確認しないと見えてこない部分もあり、こちらも注意しておきたいイベントです。

しかし、そうは言っても短期的に下値は1.10の大台割れをしてしまった感が強く、ここからの上昇の余地がどの程度あるのかというあたりをテクニカルに見ていきましょう。日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

ここまでの動きをざっとまとめると、10月初めからの上昇チャンネル(ピンクの平行線)を下抜けダブルトップを形成したところ、安値は10月安値と高値の61.8%押しで止められ、そこから先週後半の反発となりました。

そうなると次は11月高値(=10月末の戻し高値と同値)と先週安値との戻しを計算することとなりますが、半値戻しが1.1082(赤のターゲット)とダブルトップ(黄色のラインマーカー)のネックラインに重なり、ここまでの戻しならば下げの動きの範囲内という見方が出来ます。また下げの範囲内ギリギリの戻しとしては61.8%戻しの1.1105(赤のターゲット)がありますが、現在の水準からの距離を考えると後者のターゲットのほうが妥当そうです。

いっぽうで下値については1.10割れでの買いのしつこさが見られましたので、今週は大台1.1000レベルをサポートに、1.1100レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はポンドドルの日足チャートを見ます。

先週のポンドは12月の総選挙に向け、ブレグジット党の動向が保守党に有利であるとの判断からじりじりと水準を切り上げ、これまでの高値圏でのもみあいを上抜ける可能性が出てくる週となりました。

今週のコラム

チャートでは10月の大きな上げの後に高値、安値を切り下げるフラッグ、あるいは下降ウェッジ上のチャートパターンを形成していましたが、本日週初の動き次第ではこのパターンを上抜ける水準へと上がってくるかもしれません。

通常こうしたコンティニュエイション(パターン)は、パターンを抜けた場合にそれ以前のトレンドを継続しやすいため、本日以降にこのパターンを明確に上抜けるようであればポンドは11月高値、10月高値と高値圏をトライしやすいチャートとなります。選挙関連のニュースがキーとなりそうですが、微妙な水準にいるだけに要注意です。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

11月18日(月)
18:00 デギンドスECB副総裁講演
22:20 レーンECB理事講演

11月19日(火)
18:00 ユーロ圏9月経常収支
19:00 ユーロ圏9月建設支出

11月20日(水)
16:00 ドイツ10月PPI


11月21日(木)
16:45 フランス11月企業景況感
18:40 デギンドスECB副総裁講演
21:30 ECB理事会議事要旨公表
24:00 ユーロ圏11月消費者信頼感速報値

11月22日(金)
16:00 ドイツ7〜9月期GDP改定値
17:00 ラガルドECB総裁講演
17:15 フランス11月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ11月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏11月製造業・サービス業PMI速報値
22:00 ドイツ連銀総裁講演

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

11月11日(月)
ユーロドルは、前週末に売られた動きに対する調整からじりじりとユーロ買いが先行しました。その後、英国のブレグジット党党首が保守党とは争わないと発言したことからポンドが全面高となり、ユーロもその動きにやや追随したものの、NY市場が休場となったこともあって動意薄のままの引けとなりました。

11月12日(火)
ユーロドルは、前日NY市場以降の上値の重さを継続していましたが、欧州市場でブレグジット党党首が前日とは逆に保守党への協力に否定的な発言をしたことからポンドが下落、その流れに引っ張られてユーロもじり安となりました。NY市場では円買いの動きがユーロ円でも強まったことからユーロドルも上値が重たい流れのまま引けることとなりました。

11月13日(水)
ユーロドルは、1.10台前半の狭い値幅の中で全く方向感が出ないままの取引が続きました。ドル円とともにユーロ円の売りが見られたことから一時的に1.10の大台割れの場面もありましたが、大台割れでは買いがわいてきて上下とも動きが鈍いままで一日を終えました。

11月14日(木)
ユーロドルは、東京市場ではユーロ円の売りに押されじり安となっていましたが、欧州市場に入り発表されたドイツGDPが予想に反してプラスとなったことから反発、しかしその後のレーンECB理事の発言に押され1.0989レベルと週間安値を下回ってのNY市場入りとなりました。NY市場ではドル売りの動きの中でユーロドルも買い戻され、1.1028レベルまで上昇後そのまま高値圏での引けと前日に続いて大台割れの買いの根強さを感じさせる一日となりました。

11月15日(金)
ユーロドルは、欧州市場まではドル円の上下に沿ったユーロ円の動きに引っ張られる流れが続いていましたが、英国ブレグジット党党首が前回選挙で保守党と労働党が接戦だった選挙区には候補を立てないと発言しポンド高。その動きがユーロにも波及し、リスクオンによるユーロ円の買いも重なってユーロドルは1.1057レベルまで上伸後に高値引けの週末クローズとなりました。

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