ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、下降チャンネル内での動きを考え「7.45レベルをレジスタンスに7.15レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.29レベル、高値が7.59レベルと予想よりもランド高の一週間となりました。
先週のランド円は、週前半にトランプ大統領と習主席との電話会談において、G20において米中協議進展の思惑から、最大の貿易相手国である中国の好材料に素直に反応し、ランド高の動きとなりこれまでの下降トレンドから方向を転換するきっかけを作りました。
その後、ドラギECB総裁の追加緩和の可能性に言及した発言とFOMCにおける緩和への方向転換が明確になったことが、どちらも高金利のランドにとっては好材料とされ、5月28日以来のランド高水準となる7.59レベルの週間高値をつけることとなりました。
ただ、金融政策という点では南ア中銀も7月の会合で利下げに動く可能性は高く、一方的にランド高を見込むというほどの材料とはなりません。今週は南ア関連では27日のPPI、28日の貿易収支と重要な経済指標が続きますが、特にPPI(前回6.5%、予想6.3%、前年比)が弱めの数字の場合には注意が必要です。
また先週は好材料となった米中間のムードですが、これもこれまでに何度も市場参加者は振り回されてきていますので、G20でやはり何も好転しなかったという期待外れの結果にも注意が必要です。さらに、その場合にはトランプ大統領が改めて中国に対して制裁を検討するといった発言を行いそうですから、今週から来週にかけてはどちらにも動きうるというスタンスで臨んだ方がよいと思われます。
今週はまずドルランドの日足とともにドル建て金の日足チャートをご覧ください。
(上)ドルランド (下)ドル建て金 日足
最近でこそあまり相関が高くないランドとドル建て金ですが、6月に入ってからのドルランドにおけるランド高の動きに、金価格上昇の動きは一定の影響を与えていると考えることもできそうです。ドル建て金はテクニカルに長期的な上昇傾向を示し始めているため、今後も時々金価格の動きには注意したいと思います。
そして、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
チャートを見ても分かる通り、ピンクの平行線で示した下降チャンネルから青の平行線で示した上昇チャンネルに転じてきたと考えられます。米中間の協議進展と金価格にも気を配りながら、基本は押し目買いのスタンスでよいと考えられます。
今週は7.40レベルをサポートに7.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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