NZ中銀3月利下情報事前漏えいを確認
ニュージーランドの中央銀行である準備銀行は3月10日の政策金利引き下げにかかわる非常にセンシティブで価値のある情報が公式発表前にあるジャーナリストにより漏えいしたことが確認されたと発表しました。
ウィーラー総裁はこの事前リークについて「長年の信頼関係を破る深刻で残念な事態だ、この漏えいは不適切な金融市場での利益の機会と中銀のコミュニケーションの誠実さに対するダメージをもたらした」と述べ事態を憂慮しています。
ニュージーランド中銀は当日9:00の政策金利発表の二時間前にメディア向けに、一時間前にはアナリスト向けに事前報道、外部への情報提供等禁止の条件で情報を公開していますが、旧ニュージーランド中銀職員のブロガーから、当日8:04に利下げの情報を伝えるメールが届いたと報告があったことから、漏えいが発覚しました。
独立した第三者機関の調査中にMediaWorks社が自社の記者による漏洩であると中銀および外部機関に自主報告、漏えいの事実が確認されることとなりました。
同社の記者が、メディア用の隔離された部屋情報閲覧可能な部屋の中からモバイルPCとデータカードで許可なく発表前に利下げの事実を外部にメールで事実を伝えたとのことです。
MediaWorksは本件につき謝罪しています。
3月10日当日は予想外の利下げにニュージーランドドルは発表された日本時間午前5時に0.6775レベルから0.6670レベルまで急落しており、この情報がFX的には非常に価値の高いものであったことがわかります。ただ、5時前の動きを見る限り事前に明らかにニュージーランドドルが売り込まれている様子は確認できません。ニュージーランド中銀はこの情報漏えいが金融市場に影響を与えた証拠は見つからなかったとしています。
今後の漏えい対策として、ニュージーランド中銀は次回以降の政策金利発表に関しては他の中銀の例も参考に、メディア、アナリストへの事前の情報提供を行わないこととした模様です。
状況は少し異なりますが、日本でも1月の政策決定会合がまだ開催されている途中に日経電子版が「マイナス金利政策の導入の議論に入った」との報道をして問題視された事件が最近あったのは記憶に新しいところです。
確かあの事件に関しても調査が行われ、漏えい事実はなかったと報告されたと記憶していますが、ニュージーランド中銀のような徹底した調査結果の開示は行われていないように思います。
最近は各国中銀の金融政策が以前にまして注目を集める局面と成っており市場の公平性信頼性の観点より徹底した情報管理と何らかの事件が起きた場合の透明性の確保が期待されます。
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