結局、歯止は原油でサウジだったのかという話
今日の東京市場では、ドル円は109円台に上昇、日経平均は450円を超える上昇となりました。
17日にカタールの首都ドーハでOPECとロシアの間での原油増産凍結につき話し合いが行われる予定で、従来イランを含む主要産油国の参加を凍結の条件にしていたサウジアラビアがイランの姿勢に関係なく凍結に応じる見込みとの報道から、原油先物は一時42ドルに接近、これによりリスクオンのスイッチが入った(というよりリスクオフのスイッチが切れた)と見てよいでしょう。
原油に関しては中国等の大消費国の景気減速という需要減の部分と産油国の足並みが揃わないためにおきる供給過剰のダブルパンチから2014年後半以降下落を続けてきたわけですが、今年に入ってようやく底打ちの兆しが見えつつあります。
それにしても、サウジの意向ひとつで、マイナス金利も口先介入もぜんぜん効かなかった円高・株安をIMFが「日本の為替介入には正当な理由がない」などと余計な発言をする中でも反転させることができることが明らかになったわけで、ちょっとしたショックを感じた向きも多かったのではないでしょうか。
もちろんサウジアラビアが凍結に合意するかどうかまた、合意したからといって原油全体の供給量が減少するかは不透明ですが、これだけ不透明な報道にここまで市場が反応するのは、市場のこのトピックスに対する緊張感が高かったことに他ならないと考えられます。
本日発表となった本邦指標は3月企業物価指数前年比、-3.5%の予想に対し-3.8%と不冴えでした。
株価もドル円も完全に下げ止まったと見るのはもちろん時期尚早ですが、今週末までは市場のテーマからは最近やや離れていた感のある原油関連のニュースに敏感になる必要がありそうです。
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