『中国の大規模金融緩和で約2カ月ぶり高値圏へと急上昇』
〇今週の南ア円、週末にかけ8.50まで上昇
〇中国による大規模金融緩和と世界的リスクオン再開、南ア指標の改善等が背景
〇買い一巡後は、ドル円急落等に8.32レベルに値を崩す
〇テクニカルには、主要テクニカルポイント上抜け、買いシグナルも点灯、地合い強い
〇南ア経済復調期待、政治安定化期待、金・プラチナ価格の大幅上昇、FRBハト派化等がサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇トレンド継続をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.20ー8.50
今週のレビュー(9/23−9/27)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は週初8.26円で寄り付いた後、早々に週間安値8.21円まで軟化しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)中国人民銀行による大規模金融緩和のサプライズ発表(中国人民銀行は今週、預金準備率や政策金利の引き下げを発表)や、(2)上記1を背景とした世界的なリスクオン再開(米FOMCや南ア中銀が先週の会合で利下げサイクルの開始を決定したことも投資家心理の改善に寄与)、(3)南ア7月景気先行指数(結果113.6、前回111.4)の良好な結果、(4)南ア4ー6月期非農業部門雇用者(結果+0.4%、前回▲0.6%)の良好な結果、
(5)南ア8月生産者物価指数(結果+2.8%、予想+3.5%)の市場予想を下回る結果、(6)自民党総裁選・第1回投票でアベノミクス継承を掲げる高市早苗経済安全保障相が首位となったことを好感した株買い・円売り(ドル円急伸→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.50円(7/23以来の高値圏)まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)自民党総裁選・決選投票で石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことや、(8)上記7を背景とした失望の株売り・円買い(高市氏が破れたことでアベノミクス継承に対する期待感が剥落→石破ショック発生→ドル円大暴落→南アランド円連れ安)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/28午前3時00分現在)では、8.32円前後まで値を崩す動きとなっております。
来週の見通し(9/30−10/4)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、9/11に記録した安値7.85円をボトムに切り返すと、今週末にかけて一時8.50円まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の復調期待(今週発表された南ア8月生産者物価指数は昨年7月以来の水準へ鈍化→南ア中銀による追加利下げ観測再燃→南ア経済の下支え要因)や、(2)南ア政治の安定化期待(ラマポーザ大統領は今週、新ビジネス路線の国民統一政府として米ニューヨークを訪問→外国企業による南アフリカへの投資拡大期待)、
(3)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の大幅上昇(南アフリカの交易条件改善期待。金価格は史上最高値を連日で更新)、(4)米FRBによるハト派化(米FRBは先週のFOMCで50bpの大幅利下げ実施→米国のハト派化は新興国通貨の上昇要因)、(5)経済的な結びつきの強い中国の金融緩和(中国経済の先行き不透明感後退→南アランドの上昇要因)など、南アランドの上昇に繋がる材料が増えつつあります(事実、対ドル相場は年初来高値を更新し、約1年8カ月ぶり高値圏へと急上昇)。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇トレンド継続をメインシナリオとして予想いたします(石破ショック消化後に急反発に転じるシナリオを想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.20ー8.50
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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