ドルは146円台半ばまで上昇、「高市トレード」解消でドルは落としどころを探る展開に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、自民党総裁選に対する思惑先行の地合いとなり、日本株の一段高も加わったことから146円台半ばまでドルは上昇した。
昨晩の海外時間では、米長期金利低下に伴いドル売りが優勢となったのち、4-6月期GDP確定値が市場予想を上回り、米先週分新規失業保険申請件数が4カ月ぶり低水準となるなど、経済や労働市場の底堅さが証明されたことから、金利上昇に伴いドル買いが強まった。一方、米8月中古住宅販売成約指数が予想を下回り、7年債入札の良好な結果を受けて、金利の上昇は一服。ドルは144円台後半でのもみ合いとなった。
東京時間では、自民党総裁選への思惑先行の展開となり、午後、金利引き上げに否定的な高市氏が獲得票1位で決選投票に回ったことで、円が主要通貨に対して全面安の展開に。株式市場では日経平均が2日連続で高値引けとなるなど強い動きを示したことも影響して、9月3日以来の146円台までドル高円安は進行した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:144円89銭
高値:146円49銭
安値:144円89銭
終値:146円25銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円93銭
高値:163円50銭
安値:161円92銭
終値:163円28銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円94銭
高値:100円72銭
安値: 99円67銭
終値:100円58銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:194円32銭
高値:195円96銭
安値:194円18銭
終値:195円73銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39108円27銭
高値:39829円56銭
安値:38917円98銭
終値:39829円56銭(前日比+903円93銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時15分、欧、レーンECBチーフエコノミストが会議の開会挨拶
18時00分、欧、9月消費者信頼感指数(確報値)、前回:−12.9、市場予想:−12.9
18時40分、欧、チポローネECB理事がデジタルユーロについて講演
20時15分、欧、ナーゲル独連銀総裁がデジタルユーロについて講演
21時30分、米、8月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.5%、市場予想:2.3%
21時30分、米、8月PCEコアデフレータ(前年比)、前回:2.6%、市場予想:2.7%
23時00分、米、9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:69.0、市場予想:69.0
22時30分、米、クーグラーFRB理事とコリンズ・ボストン連銀総裁が会合出席
26時15分、米、ボウマンFRB理事が会議出席
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、ドル・円は荒い値動きのなか落としどころを探る展開となりそうだ。15時20分過ぎ、自民党総裁選の結果、石破氏が第28代自民党総裁に決まったことから、ドルは142円台まで下落した。
為替市場、株式市場、金利市場ともに、高市氏が追加の利上げに否定的なことから「高市トレード」が先行し、円安、株高(金融株は下落)、利回り低下といった流れが強まっていた。高市氏が敗れたことで、「高市トレード」の逆回転が進み、円は主要通貨に対して全面高となっている。一方、ドル・インデックスは100.3水準とほぼ動きはないことから、ドルは静観といった状況だ。
石破氏の具体的な政策や党三役や閣僚候補者などが明らかとなるには時間がかかるため、それまで為替は落としどころを探る地合いとなろう。今晩の8月PCEデフレータやFRB関係者の発言内容を見極める展開とはなるが、ドル・円は上下に振れやすくなったことから1円強は簡単に動きそうだ。
日足の一目均衡表では、転換線が基準線を上回ったが、遅行スパンは実線より下を推移しており、まちまち。20日移動平均線水準まで押し戻されており、微妙な状況と言えよう。日替わりで強弱感が変わる読みにくい相場展開となっている。来週は週末に米雇用統計発表を控えており、JOLTS、ADP雇用者数の結果次第で強弱感がまちまちとなる可能性もある。9月16日を起点にじりじりとした反発は続いているが、積極的なポジション取りは難しい。
今晩のドルは落としどころを探る展開で荒い値動きを想定する。上値メドは144円00銭、下値メドは142円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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