7月24日以来の水準まで上昇、雲上限91円10銭水準をサポートとした展開か
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、目立った経済指標の発表がなかったことから、強い豪ドルの動きにつられ、9月2日戻り高値を上回り、7月24日以来の水準まで上昇した。
経済的なつながりが強いオーストラリアでは、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)が公表したRBA声明において市場予想より「ハト派」に傾かなかったことから、豪ドルは上昇。対円で心理的な節目である100円台を回復する強い動きが見られたことなどが影響し、NZドルはつられる展開となった。
日足の一目均衡表の雲上限である91円台前半でもみ合う動きもあったが、日銀が早期の追加利上げに動かないとの観測が強まったことで円が主要通貨に対して下落。NZドルは週末にかけて上げ幅を拡大し、7月24日以来の水準まで上昇した。対円ベースで主要通貨を比較した場合、最速で8月上旬の急落前の水準まで値を戻している。
NZドル・円(東京時間:9月23日―9月27日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:89円74銭
高値:91円97銭
安値:89円36銭
終値:91円93銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
9月23日
7時45分、9月貿易収支、前回:−10.16億NZドル、結果:−22.03億NZドル
9月30日
9時00分、9月ANZ企業信頼感、前回:50.6
10月1日
6時45分、8月住宅建設許可(前月比)、前回:1.24倍、市場予想:1.24倍
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルも、引き続き豪ドルの動向や日銀の金利引き上げ動向を見極める展開となろう。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、既に前回の8月会合で政策金利を引き下げており、経済指標等が市場予想通りに推移すれば、次回10月9日のRBNZ会合にて0.25%の追加利下げを実施する公算が大きい。11月27日のRBNZ会合でも利下げ実施が織り込まれており、年内0.50%利下げを市場は織り込みつつある。段階的な利下げ実施は見込まれているが、足元の経済減速を考慮すると利下げ実施に伴う経済回復を為替市場ではポジティブに捉えている様子だ。
仮に年内0.75%の大幅利下げ実施となった場合、NZドルはいったん売り圧力が強まるかもしれないが、日銀の早期利上げ観測の後退に伴う円安傾向が下支えとなり、結果としてNZドルは強い動きを継続する可能性はある。また、経済的なつながりが強い中国が大規模な金融緩和を発表したこともNZドルの下支えとなろう。
日足の一目均衡表では、雲上限を上回っているほか、転換線が基準線を上回っている。遅行スパンも実線を上回るなどトレンドは強い。「反発継続」という地合いから「上昇」に転換したと考える、今後は、91円10銭台の雲上限がサポートラインとして意識されそうだ。外部環境睨みの相場展開だが、91円水準での値固めを試すと想定する。
NZドル円日足
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