トルコリラ円見通し 円安により9月16日からの上昇トレンドを継続
〇トルコリラ円、ドル円の騰落に合わせて、9/26は夕刻に4.25へ高値を伸ばし、その後4.21へ反落
〇深夜に4.25まで切り返し、その後も4.23台を中心に高値圏を維持
〇対ドル、9/26は概ね34.17から33.82の取引レンジ、終値は31.14をつけて終値ベースの最安値更新
〇週次の外貨準備高は大幅増加、ネットでは昨年6月以降の最大に
〇4.22を上回るうちは、4.25超えから4.26、4.27を順次試す上昇を想定する
〇4.22割れを弱気転換注意とし、4.21割れからは下げに入るとみて4.19前後への下落を想定する
【概況】
トルコリラ円の9月26日は概ね4.25円から4.21円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.24円で前日終値と変わらなかった。
ドル円が9月16日安値139.57円を当面の底として上昇基調に入ったことで、トルコリラ円も9月16日安値4.11円を起点として上昇期に入りドル円を追いかけているが、9月26日はドル円が夕刻に145.19円へ上昇したところでトルコリラ円は4.25円へ高値を伸ばし、ドル円がいったん144.09円へ反落した際に4.21円へ下落したが、ドル円が深夜に夕刻高値と同値まで戻した後も確りしたため、トルコリラ円も深夜に4.25円まで切り返し、その後も4.23円台を中心に高値圏を維持した。
ドル円は日銀による年内追加利下げ姿勢が後退したとして7月3日から9月16日への大幅な円高が過剰だったとして修正的な上昇に入っている。ドルストレートにおいてはユーロ、ポンド、豪ドル等が上昇基調を継続してドル安優勢だが、クロス円全般が連騰しており、利下げサイクルに入ったことによるドル安よりも日銀の追加利下げ姿勢後退と株高と連動する円安が優勢であり、トルコリラ円もドル/トルコリラにおけるリラ安再燃の流れを気にしつつもドル円の上昇を追いかける展開を継続している。
ドル円と共にトルコリラ円は9月16日安値からFOMC直後の19日早朝安値、20日午後の日銀植田総裁会見中の安値、25日朝安値と底上げをしっかりして高値更新を繰り返しているため、ドル円が144円台後半を維持してトルコリラ円も4.22円以上を維持する内は高値追及の流れへ進みやすいと思われる。
【ドル/トルコリラは終値の史上最安値を更新】
ドル/トルコリラの9月26日は概ね34.17リラから33.82リラの取引レンジ、27日早朝の終値は31.14リラで前日終値の34.11リラから0.03リラのドル高リラ安だった。
8月28日に34.41リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、終値ベースでは9月23日終値34.12リラで最安値を更新し、その後も徐々に日々の高安レンジを徐々に切り下げていいたが、26日終値で23日終値を超えて終値ベースの最安値を更新し、27日午前序盤には34.20リラを付けて9月16日以降の安値を更新しており、徐々に取引時間中の最安値への距離を詰めてきている。
ユーロ/トルコリラも26日終値を38.20リラとして終値ベースの史上最安値を更新している。
【週次の外貨準備高、ネットでは昨年6月以降の最大に】
9月26日夜に発表されたトルコ中銀の週次外貨準備高は9月20日時点のグロスで941.1億ドルとなり9月13日時点の921.6億ドルから大幅増加し、ネットでも517.8億ドルとなり9月13日時の487.8億ドルから大幅増加した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したものの再び増加に転じ、7月後半に947億ドルまで回復し、その後は伸び悩んでいるものの高水準を維持している。
ネットでは8月2日時点で514.5億ドルとして2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高としていたが、9月20日時点で517.8億ドルとなりこの間の最大を更新した。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要だ。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、4.24円を繰り返し試してから25日朝に4.18円台へ下落したため、25日午前時点では24日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、4.22円超えからは新たな強気サイクル入りの可能性ありとして24日夕高値試しとしたが、6日早朝への上昇で24日夕高値を超えたため、26日午前時点では25日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして27日午後から10月1日夕にかけての間への上昇を想定した。
26日夜に反落したところから切り返しているため引き続きトップ形成中とするが、4.22円割れを弱気転換注意とし、4.21円割れからは弱気サイクル入りとして30日午前から10月2日午前にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では26日夜の反落から切り返したことで遅行スパンの好転と先行スパンからの転落回避を続けているため遅行スパン好転中は高値試し優先とする。連続的な下落で先行スパンから転落しないうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパン転落から続落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は9月26日早朝に70ポイントに到達してから26日夜に30ポイント台へ失速したものの27日午前序盤には50ポイント台を回復しているので60ポイント超えからは70ポイントを目指す上昇を想定するが、次に45ポイントを割り込むところからは下落期入りとみて30ポイント割れを試す低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.22円を下値支持線、4.25円を上値抵抗線とする。
(2)4.22円を上回るうちは4.25円超えから4.26円、4.27円を順次試す上昇を想定する。4.26円以上は反落注意とするが、4.23円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.22円割れを弱気転換注意とし、4.21円割れからはいったん下げに入るとみて4.19円前後への下落を想定する。4.19円前後は買われやすいとみるが、4.22円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
9月27日
16:00 8月 貿易収支確報 (7月 -73億ドル)
16:00 9月 経済信頼感指数 (8月 93.1)
10月1日
16:00 9月 イスタンブール製造業PMI (8月 47.8)
10月3日
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (8月 2.47%)
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (8月 51.97%)
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (8月 3.0%)
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (8月 51.6%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (8月 1.68%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (8月 35.75%)
注:ポイント要約は編集部
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