テクニカルには底堅い展開を予想
〇先週のユーロドル、FOMC直後に乱高下するも、週を通してユーロが上昇する流れ
〇ドル円に連れ上昇するユーロ円に引っ張られ、ユーロドルも上昇、レンジは120pipsに留まる
〇今週の注目材料は、欧州主要国のPMI速報値とレーンECB理事の講演
〇今週もユーロ円がドル円に追随し、ユーロドルも週前半は強く後半は下げやすい地合いになる可能性高い
〇短期的に8月安値と9月安値結ぶサポートラインで8月高値試す展開、一度は高値更新する可能性は高い
〇今週は1.1100レベルをサポート、1.1225レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルはFOMC直後の乱高下はあったものの、週を通してユーロが上昇する流れが続きました。要因としてはユーロ要因でもドル要因でも無く、ドル円が上昇する動きとともにユーロ円が上昇、ユーロ円の動きに引っ張られてユーロドルも上昇したというイメージです。実際にユーロ円は6円を超えるレンジとなりほぼ週初安、週末高の一週間となりました。ユーロドルは120pipsの上昇にとどまっています。
今週は一連の金融政策イベントも終わり、ユーロ関連では欧州主要国のPMI速報値とレーンECB理事の講演が注目材料となりますが、PMIは一時的な振れはあったとしても方向感を決めるようなものとはならないでしょうし、レーン理事の講演もECBが利下げを行った直後で次回理事会での利下げ有無のヒントになるような発言を期待するには時期尚早といった感じがします。
引き続き、為替市場の主役はドル円、クロス円であり、ドル円週報に書いた通り145円前後までの買い戻しが先行後に下げるとすれば、ユーロ円もそれに追随し、結果としてユーロドルも週前半は強く後半は下げやすい地合いといった流れになっていく可能性が高いのではないかと考えます。あとは半期末に向けての動きが出てくるかどうかですが、来週月曜が30日となるため、今週の木曜と金曜は特殊な実需が出てくるようであれば動きが出そうですが、これも当日のロンドン・フィキシングのほうが影響は大きいと見られます。
あとは本来はドル円週報に書くべき内容ですが、27日に自民党総裁選の開票が行われます。1回目の投票で決まらず、決選投票になると見られますが、その場合国会議員票の割合が高くなるため、上位2者のどちらに他候補がつくのかで結果は変わりそうです。ただ、今の自民党では誰が総裁になっても大きな変化は期待できない上になってみないとわからないというのが多くの市場参加者の本音でしょうか。なお、為替については高市候補は円安路線、他候補は円高路線といった印象です。
ユーロに話を戻し、チャートを見てみましょう。
6月末の安値を起点としたサポートラインとそれに平行に引いた5月高値からのラインとで構成される平行上昇チャンネル(ピンク)の中で、8月高値からのフラッグ(平行下降チャンネル・青)を上抜ける動きとなってきました。短期的には8月安値と9月安値と結んだサポートラインとしながら、8月高値を試す展開が考えられます。一度は高値を更新する動きが出てくる可能性は高いと思われます。
今週は1.1100レベルをサポートに1.1225レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。
ドル円が強いのでユーロ円も強いのですが、8月高値と9月高値を結んだレジスタンスラインが現在161円台半ばにあり、ここを上抜けてくると最初に9月高値162.88レベル、そして8月高値163.88レベルをターゲットにする流れとなります。
いっぽう反落した場合には大台160円を割り込み159円台前半までの押しを考えることとなるでしょう。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
9月23日(月)
16:15 フランス9月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ9月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏9月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国9月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
22:00 チポローネECB理事講演
9月24日(火)
17:00 ドイツ9月企業景況感
9月25日(水)
15:45 フランス9月消費者信頼感
9月26日(木)
15:00 ドイツ10月消費者信頼感
16:30 スイス中銀政策金利発表
22:30 ラガルドECB総裁講演 ☆
9月27日(金)
15:45 フランス9月CPI速報値 ☆
15:45 フランス8月PPI、消費支出
16:55 ドイツ9月失業率
17:15 レーンECB理事講演 ☆
18:00 ユーロ圏9月消費者信頼感
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
9月16日(月)
東京市場が休場の中でユーロドルでもドル売りの動きが続きました。海外市場に移ってからはドル円とともにユーロ円の買いが強まったことからユーロドルはNY朝方に1.1138レベルの高値をつけ、そのまま高値圏でもみあいのまま引けました。
9月17日(火)
ユーロドルは終日小動き、欧州市場序盤に1.1146レベルの高値をつけたものの一日のレンジはわずか35pipsにとどまりました。
9月18日(水)
ユーロドルはFOMCまで1.1125レベルを中心に方向感の無いもみあいを続けました、FOMC後の乱高下でユーロドルも1.1189レベルまで上伸後に1.1097レベルへと反落、引けは1.11台前半となりました。
9月19日(木)
ユーロドルはドル円とともにドル買いが先行し仲値すぎに一日の安値となる1.1068レベルをつけました。その後の流れもドルの動きとしてはドル円同様で欧州市場序盤には高値1.1179レベルをつけ、ユーロ反落後に買い戻されての引けとなりました。
9月20日(金)
ユーロドルは欧州市場序盤に1.1182レベルまで上昇後は下げに転じ、NY市場ではドル買いの動きから1.1136レベルまで下げましたが、一日のレンジは46pipsにとどまり、方向感がはっきりしないまま東京朝方の水準で引けました。
注:ポイント要約は編集部
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