タカ派なRBA姿勢も、様子見ムードは強く上値重い
【今週の豪ドル】
今週は、オーストラリア準備銀行(RBA)が8月理事会で「短期的に利下げの可能性は低いとの見解で一致」したことが明らかとなったものの、反発一服で上値の重い展開となった。
20日、公表された8月5−6日の理事会議事要旨では、「短期的に利下げの可能性は低いとの見解で一致」したほか、「インフレを確実に抑制するには制約的な政策を「長期間」維持することが必要になる可能性」にも言及した。
そして、基調的なインフレ率が3.9%と依然として高止まりする中、利上げの是非についても議論。その上で、インフレと労働市場の双方のリスクに対してバランスを取る最善策としては据え置きの方が適していると判断した。市場は12月もしくは来年2月の利下げ開始を織り込んでいるが、2026年にインフレ率が2−3%の目標の中間値に戻るという予想と一致しないと指摘。市場の早期利下げ観測に対するけん制の姿勢を見せた。
公表後の豪ドルは99円台まで買われる場面は見られたが、豪ドル買いは続かず失速。米ジャクソンホール会合などを控え様子見ムードが強まったことなどが上値を抑える要因となった。豪ドルは、週末にかけて98円水準でのもみ合いと方向感には欠ける地合いが続いた。
豪ドル・円(東京時間:8月19日―8月23日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 98円44銭
高値: 99円06銭
安値: 96円97銭
終値: 98円00銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
8月28日
10時30分、7月消費者物価指数、前回:3.8%、市場予想:3.4%
8月30日
10時30分、7月小売売上高、前回:0.5%、市場予想:0.3%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、28日の7月消費者物価指数(CPI)と30日の小売売上高を見極める地合いとなる。また、31日には、経済的なつながりの深い中国の8月製造業PMI及びサービス業PMIも発表予定のため注視しておきたい。
6月のCPIは前年比3.8%増、5月は同4.0%増、4月は同3.6%増、3月は同3.5%増、2月は同3.4%増と5月をピークにCPIは鈍化傾向にあるが、まだ明確に落ち着いたとは言えない。7月CPIが市場予想の同3.4%程度と鈍化傾向が明確となれば、年内利下げ観測が一気に強まると考える。つまりタカ派なRBAと市場コンセンサスのギャップは深まる可能性はある。
なお、31日に中国国家統計局より発表される8月の製造業PMI及びサービス業PMIは要警戒と考える。7月の製造業PMIは3ヵ月連続好不況の境目となる50を下回った。そして、7月のサービス業PMIは好不況の境となる50を上回ったが、低下傾向にある。高温や天候不順により建築活動が影響を受けたことがサービス業PMI低下の主因とされているが、足元、建築業の新規受注指数も悪化。不動産市況の悪化による影響が主因とみられるが、不動産以外の業界や政府部門による投資が落ち込んでいる可能性もありPMI一段安を警戒したいところだ。
日足の一目均衡表では、8月5日に長い下影(下ヒゲ)を残した後は転換線を上回ったが、足元、基準線に頭を抑えられている。20日移動平均線は上回ったものの、反発一服で上値は重くなっている。心理的な節目である100円手前で反発が止まったことから積極的には買いにくい状況だ。7月11日高値109.71円と8月5日安値90.15円の下げ幅19.56円の38.2%戻しである97.62円水準でのもみ合いか。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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