豪ドルWeekly 早期利下げ観測が後退し、リバウンド継続の地合いに(24/8/16)

今週は、投機筋の円売りポジションの解消が一巡し円は主要通貨に対してじりじりと売られたほか、強いオーストラリア経済指標を受けて豪ドルはリバウンド継続となった。

豪ドルWeekly 早期利下げ観測が後退し、リバウンド継続の地合いに(24/8/16)

早期利下げ観測が後退し、リバウンド継続の地合いに

【今週の豪ドル】

今週は、投機筋の円売りポジションの解消が一巡し円は主要通貨に対してじりじりと売られたほか、強いオーストラリア経済指標を受けて豪ドルはリバウンド継続となった。

CFTCが公表した8月6日時点の円売りポジションはネットベースで1.1万枚と2022年9月以降のデータでは最も少ない円売りポジションとなった。7月2日時点の18.4万枚から一気に減少し、円売りポジションは大幅に解消された。一カ月近く続いた円全面高の流れは一巡したと見られる。

このような需給環境のなか、15日に発表したオーストラリア雇用者数は前月比5.8万人増加と市場予想2.2万人増加を大幅に上回った。失業率は市場予想の4.1%を上回る4.2%とやや悪化したが、雇用者数の大幅増を受けて労働市場の底堅さは確認できたことから、オーストラリア準備銀行(RBA)の早期利下げ見通しが後退。市場ではRBAの緩和サイクル開始を今年12月と見込んでいる。

円全面高の一服やオーストラリア経済の強さが確認できたことから、豪ドルはじりじりと下値を切り上げ、7月31日以来の98円80銭台まで値を戻した。

豪ドル・円(東京時間:8月12日―8月16日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 96円61銭
高値: 98円85銭
安値: 96円51銭
終値: 98円66銭 

【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間

8月13日
10時30分、第2四半期賃金指数、前回:0.9%、市場予想:0.9%、結果:0.8%
10時30分、第2四半期賃金指数、前回:4.1%、市場予想:4.0%、結果:4.1%
8月15日
10時30分、7月雇用者数、前回:5.23万人、市場予想:2.20万人、結果:5.82万人
10時30分、7月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.1%、結果:4.2%

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないなか、円全面高の一服とRBAの早期利下げ観測の後退を材料にリバウンド継続の地合いが続くと考える。RBA及びブロックRBA総裁は、8月のRBA会合以降、「タカ派」姿勢を明確にしている。RBAのタカ派姿勢に底堅い雇用情勢が確認できたことで豪ドルへの安心感は増すと考える。

日足の一目均衡表では、5日に長い下影を残した後は転換線を上回ったほか、転換線も上向きに転じた。基準線と200日移動平均線が位置する99円90銭水準が目先のターゲットとして意識されよう。心理的な節目である100円回復も間近に迫っていることから、200日移動平均線回復後は、この水準での値固めを期待したいところ。

なお、来週の注意点として、23日開催予定の衆院財務金融委員会の閉会中審査を挙げておきたい。金融市場の混乱を受けて、出席が要請された植田日銀総裁が、タカ派姿勢をハト派姿勢に軟化させる見通し。

7日に内田日銀副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」と発したことで、7月31日の植田日銀総裁の「今後も経済・物価情勢が見通し通りに推移していけば追加利上げしていく」という発言を打ち消した。23日は、植田日銀総裁が内田日銀副総裁の発言に寄せると思われているが、想定よりも「タカ派」な内容となった場合、円全面高が再開する可能性はある。可能性は非常に低いと思うが、念のため頭には入れておきたい。

早期利下げ観測が後退し、リバウンド継続の地合いに

豪ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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