トルコリラWeekly 財政緊縮策を評価する展開、トルコ中銀の覚悟確認で保合い上放れか(24/5/20)

先週のトルコリラは、トルコ中央銀行(トルコ中銀)による政策金利発表を控え、積極的な上値追いは手控えられた。

トルコリラWeekly 財政緊縮策を評価する展開、トルコ中銀の覚悟確認で保合い上放れか(24/5/20)

財政緊縮策を評価する展開、トルコ中銀の覚悟確認で保合い上放れか

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、トルコ政府による財政緊縮策を材料に一時4.88円台まで上昇する場面が見られたものの、トルコ中央銀行(トルコ中銀)による政策金利発表を控え、積極的な上値追いは手控えられた。

13日、トルコ政府の経済チームを率いるユルマズ副大統領とシムシェキ財務相は、包括的な財政緊縮策を発表した。歳出削減を進めるとともに、予算配分を効率化して公共投資を重要なプロジェクトに絞り込む考えを示した。シムシェキ財務相は「我々は財政規律の確保によって、国家の経済的な土台を強化したい。今回の政策パッケージにおいては効果的な分野に投資を振り向けることが重要な要素になる。構造改革を加速させ、財政の領域でも多くの改革を行う」と説明。

また、「本日の措置でディスインフレに貢献していく。我々は公共部門の効率性を高めることでお金の節約を図る」「物価安定を持続させ、昨年の地震被災地の復興費用を賄い、環境対策やデジタル化を推進する上でも、財政規律が必要不可欠だ」との見方を示した。

財政緊縮策では、政府機関の財・サービス購入予算は10%削減され、全体の投資規模も15%縮小し、公務員の新規採用は退職者と同人数に限定された。市場では、「財政緊縮策を発表した後の23日の金融会合でサプライズ利上げを行うのではないか?」との思惑も浮上。

トルコリラは一時、5月1日以来となる4.88円台まで買われたが、買い一巡後は、13日の3月小売売上高が前月を下回ったほか、17日の5月予想インフレ(翌12カ月)も前月を下回ったことなどから利上げ観測がやや後退。4.83円水準でのもみ合い推移となった。


トルコリラ・円(東京時間:5月13日―5月17日)※Investing.comの日足を参照

始値:4.8300円
高値:4.8585円
安値:4.7575円
終値:4.8300円 

【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間

5月13日
16時00分、3月経常収支、前回:−36.4億ドル、市場予想:−38.0億ドル、結果:−45.4億ドル
16時00分、3月小売売上高、前回:25.2%、結果:19.4%
5月17日
16時00分、5月予想インフレ(翌12カ月)、前回:35.17%、結果:33.21%
5月23日
20時00分、政策金利、前回:50.00%、市場予想: 50.00%
5月24日
17時00分、4月外国人観光客(前年比)、前回:15.7%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、23日のトルコ中銀の政策金利発表に関心が集まろう。

2024年末のCPI上昇率の中間値の予想を36%から38%に引き上げた一方、17日に発表された5月予想インフレ(翌12カ月)は33.21%と前月の35.17%から低下。「高いインフレを抑えるためには利上げも辞さない」とトルコ中銀がタカ派な姿勢を示しているが、「先週の財政緊縮策に続き、サプライズ利上げによってインフレを叩く」といったタカ派シナリオは微妙なところだ。

3月小売売上高の低迷などトルコの足元の経済指標は弱いことから、必要以上の利上げは回避したいのが本音だろう。財政緊縮策でトルコの本気度を世界に示したことから、ここで利上げを実施することで、「全力でインフレを抑制する」という姿勢を誇示し、世界から投資マネーを集めたいとするシナリオがトルコ政府にはあるのかもしれない。

足元、目立った選挙が予定されていないことから、今しばらくはトルコ国民に少々泣いてもらって、インフレ抑制を優先する(トルコ景気よりもインフレ抑制を優先)という考えも理解できる。どちらにしてもトルコ経済が疲弊していることから、「サプライズ利上げを行ったからトルコリラは買い」というシンプルな流れは通じない可能性がある。

一方、テクニカル面は良好だ。日足ベースでは、3月13日の史上最安値4.5227円から下値をじりじりと切り上げており、下値不安は乏しい。日足の一目均衡表の雲上限で安定しており、50日移動平均線もようやく右肩上がりに転じた。4月29日高値と5月3日安値をそれぞれ起点としたミニ三角保合いを形成していることで、23日の政策金利発表のタイミングで上下どちらかに放れると想定する。サプライズ利上げをしなくても、インフレ抑制や財政緊縮に対するトルコ中銀の前向きな考え及び覚悟が確認できれば、トルコリラは買い優勢になるのではないかと考える。

財政緊縮策を評価する展開、トルコ中銀の覚悟確認で保合い上放れか

トルコリラ円日足

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