想定外のタカ派を背景に豪ドルは上値抵抗の98円台を試す展開
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(豪中銀(RBA))による政策決定会合(RBA会合)で「タカ派」な声明内容が確認できたことから、豪ドルはしっかりの展開となった。
6日に開催されたRBA会合で、RBAは政策金利を 4.35%に据え置いた。ただし、インフレは依然として高すぎるとし、追加利上げは排除できないと指摘。インフレ圧力の低下を示すデータが必要であるとのスタンスを示した。
RBA会合の声明では、「最近の指標はインフレが鈍化していることを示しているが、インフレ率は依然として高い。理事会はインフレ率が持続的に目標レンジに向かうと確信する必要がある」と表明。「インフレが合理的な期間内に目標に戻ることを最も確実にする金利の道筋はデータと今後のリスク評価次第だ。追加利上げの可能性は排除できない」と述べた。
RBAが同日に公表した金融政策に関する四半期報告では、インフレ率と経済成長率の予測が引き下げられた一方、需要超過の状態が続いているとの認識から利下げを急がない姿勢が示された。インフレ率は2025年終盤に中銀目標の2−3%の範囲内に戻り、2026 年に中間値の 2.5%に達すると見込んでいる。
昨年 10-12 月期の消費者物価指数が予想以上に鈍化した一方、RBAが早期の利下げを視野に入れていないどころか追加利上げを排除しない「タカ派」姿勢を示したため、豪ドルはいったん買い戻しが優勢に。2月1日に95円台をつけていたが、RBA会合後は96円台後半まで豪ドルは上昇した。
豪ドル・円(東京時間:2月5日―2月9日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:96円69銭
高値:97円05銭
安値:96円12銭
終値:96円92銭
【来週の重要指標】
※時間は東京時間
2月13日
8時30分、2月ウェストパック消費者信頼感(前月比)、前回:−1.3%
2月15日
☆9時30分、1月雇用統計、前回:65100人減少、市場予想:32500人増加
☆9時30分、1月失業率、前回:3.9%、市場予想:4.0%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週の豪ドルは、RBA会合の「タカ派」声明を受けて、上を意識した地合いを想定する。
RBA会合にて、早期の利下げを意識していないだけではなく、追加の利上げも排除しないことが確認できた点はサプライズと考える。想定以上に「タカ派」色が強かったことは、豪ドルの支援材料となろう。
そのような状況下、1月雇用統計で市場予想通りもしくは、予想を上回る強い数字が発表された場合、豪ドルは昨年12月4日以来の98円台を意識した展開を迎えるだろう。今回の雇用統計は前回が弱すぎたこともあり、ハードルは低めだ。RBA会合での「タカ派」声明を受けて、上へのバイアスは強まりやすいと考える。
短期的なテクニカル面では、一目均衡表では、1日に長い下影(下ヒゲ)を残し、雲下限下振れを回避。結果として、雲上限を上放れているほか、下向きの50日移動平均線も上回った。遅行スパンは実線水準でのもみ合いとなっていることから、明確な強いトレンドとは言えないが、RBA会合「タカ派」というモメンタムは追い風だ。
中期的にも、昨年10月、12月と雲下限では下影(下ヒゲ)を残し、下値を切り上げていることから、下値は底堅いと想定する。昨年11月の98.65円を起点とした上値抵抗線が98円水準に控えていることから、98円台回復が目先の大きなポイントとなろう。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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