豪州中銀議事録
豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。
(議事録要旨)
委員達はここ数か月間の金融市場は概ね静かだったことを確認した。
市場のFRB利上げ期待は数か月前よりも上昇し、9月のFOMCでは委員達がそれ以前よりも利上げのケースが高まったと表明している。債券価格の動きは12月利上げに向けたものとなっている。ECBは10月の会合で据え置きを公表した。そして12月の会合で、資産購入スケジュールの延長可否を判断するとしている。市場は少なくとも2017年3月末に終わる債券購入スケジュールの延長を見込んでいる。日銀の委員達は豪州中銀の会合時期と一緒だった。その公表時間は豪州中銀の後に予定されている。英国中銀は直近の経済データから、一段の緩和見込みが減じられている。
2016年前半、各国の緩和基調で国債イールドが下落後、下半期には利回りが上昇している。それでも依然低水準に置かれたままになっている。中銀の国債購入量の見込み額は減っている。これは経済データの改善とインフレ期待による。貸付市場は依然として、企業には好ましいものとなっている。社債の債券スプレッド差も狭まっている。
主要国…米国や欧州…の銀行株は数か月前よりも幅広い意味での株価指標よりも上回っている。これは収益改善を受けたものである。
米ドルは主要国通貨に対して、10月には幾分高くなった。日本円と英国ポンドは安くなった。一方、ユーロや中国元は貿易加重平均でほとんど変わらずとなった。豪州ドルは10月会合以降、変わらずで取引された。
豪州国債のイールドは10月に40ベーシス上昇した。これは債券市場の動きを受けたものであった。それでもそのイールドは依然低く、始めて発行された30年債は国内外で十分に受け入れられた。
豪州銀行債の発行額は10月、平均的な水準になった。しかし、2016年通しては強いもので、一方、非金融社債の発行は相対的に低水準に留まった。これは資源関連企業の発行減少の影響である。銀行債・非金融債含めて、イールドは低い水準で推移している。
豪州株は10月に下がり、2016年初と変わらずの水準になっている。しかしながら、資源関連株は強く、これは商品価格の回復を反映して、上昇したもの。金融株価は若干上昇した。全般的に、配当は減った。これは資源関連株の影響である。一方で銀行株の配当は上昇した。
また、銀行の預金レートはほとんど変わらずになった。また8月の利下げを受けた銀行の調達コストは約20ベーシス下がっている。また10月の住宅や企業借入レートはほとんど変わらずとなった。
金融市場を概観すると、国内外の過去数か月のデータみると、先の予想に沿った動きで、8月の金融政策時の予想とほとんど変わらなかった。世界経済は平均以下での成長に留まり、中国経済も目先は下方圧力リスクが残っている。商品価格は2016年初よりは改善したが、まだ低いままである。この中で豪州の貿易は幾分伸びた。これにより、先行き下降気味に予想していた経済見通しを幾分上向きに変えた。商品価格の上昇で、先進国経済の上向き期待がでており、世界的なインフレに繋げてくれると期待している。それでも目先のインフレはまだ水準以下で、主要中銀のインフレ目標を依然下回っている。
現在の緩和政策により目標インフレ達成の見込み
豪州経済は9月末期で、緩やかに伸びているが、インフレは依然水準以下になっている。低金利や2013年以降の豪ドル安は国内需要を下支えしている。年末のGDP伸びは潜在成長率に近くなると予想している。
利用できる経済データを見た上で、5月と8月に利下げを実施したが、委員達は現行の金利を据え置くスタンスを判断した。この緩和的な政策が経済を下支えし、目標インフレを達成してくれると予想している。
委員会はキャッシュレートを現行の1.5%で据え置くことを決定した。
(要旨以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドルは反応薄
今回の議事録では、幾分先行き経済に対して、自信を持ち始めたニュアンスになっています。先行きの緩和基調は継続するものの、追加緩和には触れていません。また豪ドル高に対する見方の弱くなっています。NZ中銀とのスタンスが少しばかり広がり始めている印象を受けました。もちろん、今後の経済指標次第ですが、多少なりとも商品価格などが上昇すれば、追加緩和は当分見送りの可能性が高くなっています。
豪ドル/米ドル相場は議事録発表前に1豪ドル=0.7570〜80ドル付近したが、内容的に新味なく約30ポイントの豪ドル安になった程度です。(1豪ドル=0.7559米ドル、11月15日14時00分現在)
オーダー/ポジション状況
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