オーストラリアドル週報（2023年9月第1週）

28日に発表された豪7月の小売売上高は前月比+0.5％、前年比で+2.1％と市場予想を上回ったものの2021年8月来の低い伸びとなり、為替市場はこれには反応しませんでした。また、30日に発表された豪7月のCPIは前年同月比+4.9％と市場予想を下回り、発表直後に豪ドルは対米ドル、対円で下落しましたが、買い戻しも入って下値も限定的となりました。今週は米雇用統計が最大の注目材料ですが、その前に発表された米雇用動態調査やADP雇用統計が労働市場ひっ迫の緩和を示唆したことや第2四半期GDPが下方修正されたことから、金利が緩んでおり、全般的にドルの上値が重い展開となっています。こうした中で豪ドルは対米ドル、対円で堅調に推移しています。

チャートを見ると、日足は3月に付けた86.06を基点として下値を切り上げる流れを維持しています。また、6/19に付けた97.67を直近高値として上値を切り下げて来た流れから8/30の日足が上抜けた位置で終えており、短期トレンドに変化が生じ始めています。96〜97円台に強い上値抵抗が控えており、急伸にも繋がり難いと見られますが、値動きの収縮から上抜けており、上値トライの動きが強まり易くなっています。日足の上値抵抗は94.50-60，95.20-30，95.70-80，96.10-20に、下値抵抗は94.00-10，93.70-80，93.10-20にあります。93円台を割り込んで終えた場合は短期トレンドが再び“豪ドル弱気”に変化します。21日、120日、200日線は93.89，92.47，91.91に位置しており、短・中期トレンドをサポートしています。

一方直近の週足は小陽線で切り返しましたが、終値ベースでは上値を切り下げる流れから上抜けられずに越週しています。しかし、今週は値動きの中でこれを上抜けた位置で推移しており、このまま94.60超えを維持して越週した場合は来週も上値トライの流れが継続します。但し、続伸に繋げた場合でも、中期的な上値抵抗が97.50-60に控えており、これを上抜けて越週するまでは下値リスクを残します。また、可能性がやや低い状態ですが93円を割り込んで越週した場合は、短期トレンドが“弱気”に変化して下落幅拡大に繋がり易くなります。週足の上値抵抗は94.60-70，95.70-80，97.50-60に、下値抵抗は93.80-90，93.10-20にあります。31週、62週移動平均線は92.15と92.62に位置しており中期トレンドをサポート中です。