シカゴポジション(CME)397
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年8月1日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までNZドルを除く3通貨は、ほとんどネットポジションを変えておらず、様子見の1週間を経過しています。この1週間でFOMC、ECB、日銀、豪州中銀の各金融政策を通過しても変わらずとなっているので、シカゴの先々の相場観としてはこれまで通りドル高豪ドル安、同円安、ユーロ高ドル安を継続していくことになります。但し、積み上げも利確もしていないので、ここからの相場に強いトレンドは持っていないと思います。NZドルは軽めのNZドルロングに切り替えましたが、依然として相場観なしの状態です。
まずは豪ドルですが、600枚程度の豪ドルショート増で、今回も5万枚以上を維持しているので、豪ドル先安観は変わりません。前回、「…約5ヶ月間は様子見(レンジ)になっています。この間の締日終値で豪ドル底値は5月30日の0.6517ですので、スポットがこの辺りに行った時にはショートカバーの可能性が高くなりそうです」としましたが、先週の締日以降の底値は3日にザラ場で0.6513、終値ベースでは2日の0.6538ですので、今週も明日の締日で0.6517を守れるかをみます。守られれば暫くレンジ様相は変わらないと思います。NZドルは引き続き細かいディールに撤しているようです。締日1日の終値は0.6148で、0.62割れから利確し、ロングに切り替えたと思います。今週はこれ以下でロングを積み上げているかを見ますが、いずれにせよポジションが最低でもネットで5千枚越えになった時に判断します。
円のポジションは円ショートが1,500枚程度増えただけに終わりました。締日までの1週間は各国の金融政策会合で、レンジは138円10銭〜143円56銭と5円を超える乱高下にもかかわらず、押し目買いも利確もしていません。前週も141円台でロングを一部利確しており、今回も締日の以降はドル高一服となっているので、もし明日の締日にドルロングが大きく減っているようなことがあれば、シカゴにとっては一度高値を付けたのかもしれません。ユーロはネットで5,000枚程度のロング減で、相場はECB後のユーロ安で僅かながらも利確先行の動きになっています。FOMCもECBも先行き相場観としては材料視しておらず、更に締日以降もユーロはやや軟調気味なので、明日にロングを積み上げているか、減らしているかを確認します。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはNZドル安でショートカバーし、更に押し目でロングに切り替えた模様です。今年2月以降のレンジが概ね0.60〜0.64で、シカゴは5月中旬まではショートを積み上げていましたが、ショート戦略があまり機能せず、5月中旬以降はこのレンジ内での戻り売り+押し目買いとし、細かいディールをしている状況です。ネットポジションが5,000枚越えにならない限り、レンジ対応で見ておきます。下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドライン0.5570〜0.6290(昨年3月22日週締日終値0.6963から引いたもの)の中で動きを続けており、もし終値ベースで0.6290を上抜けた場合に赤のNZドル高トレンドラインに移行するとしましたが、先週締日は赤のラインが0.6140〜0.6555にあり、丁度その下限で止まりました。現在のスポットは0.61絡みになっているので、明日の締日では微妙な位置にいます。このままいけば、黒のトレンドライン下限の0.5570方向狙いに入ってくる可能性が高くなっています。
さて実際の相場は、先週「…先週のレンジは0.6120〜0.6274で、下限の0.6110を守り切りました。まだ戻りが少ないので、NZドルは弱い流れを継続しています。今週はそのサポートが0.6120まで上がるので、週末終値で維持できるか否かをみます。日足では同じベースで0.6115にサポートとなり、金曜日には0.6125まで上がります。もし切れた場合は0.6100、0.6070、0.6040〜50、0.6000の順にサポートが続きます」としましたが、金曜日の終値は0.6098でしたので、週足・日足共に下抜いて終わっています。今週はNZドル一段安狙いになっています。下値は0.6050〜60サポートが強く、日足でこれ未満の終値があった場合は0.6020、0.60の心理的サポート、5月31日底値0.5985が重要になります。上値は0.6160(金曜日には0.6100)の急激な抵抗線が重要で、これを越えて行かない限り、NZドルは戻りには限界があります。但し、明日の締日終値で0.6140越えになれば、下押しは弱くなりそうです。
(1NZドル=0.6105米ドル、8月7日10:30)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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