米6月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(12日)は米国6月消費者物価指数(CPI)が発表されます。また翌13日には6月卸売物価指数(PPI)が発表されます。相場は先週金曜日、予想を下回る米雇用統計の数値に金利が緩んだことからドルが売られ、今週もドルは軟調に推移しています。今日・明日のインフレ指標が7月末のFOMCに影響するほどの内容となるかが注目されます。
前回5月分の発表前には、139円55銭付近で推移していたドル円は予想下回る数値に139円割れまで売られましたが、コアの数値が高止まりしたことから引き締め観測となり、140円31銭まで反発し140円22銭で引けています。
今回の予想をみると、全体・コア共にインフレが沈静化していますが、コアのインフレ低下速度がかなり遅くなっています。図(A)を見ると、オレンジ色の移動平均線(3〜5月は0.27%、6月は0.3%)は2017年〜19年当時の水準近くまで下がってきています。昨年5月・6月に前月比でそれぞれ+1.0%、+1.3%迄ありましたが、その後は最大でも今年1月の+0.5%、直近は+0.1〜+0.3%で推移しているので、このままでいけば時間経過でインフレ低下は見込めそうです。
ポイントは図(B)になります。6月時のFRB予想ではPCEコアが2023年12月に3.9%となりました。3月時予想の+3.6%から上方修正しており、FRB各委員が述べている「インフレはまだ高い」を裏付けています。今回6月の予想数値も+5.0%ですので、目標達成には残り半年で▼1.1%の低下が求められ、かなり厳しい状況が続きます。今回、予想通りの結果になった時、相場にどの様な影響がでるかをみたいと思います。
消費者物価指数
2023年7月12日8時00分現在予想
(A)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ
下記チャート(B)はコアインフレを示しています。青のCPIコアは昨年3月に6.5%の高値を付けてから、5月は5.3%でしたので、1.2%程の低下をみています。一方オレンジ色のPCEコアは昨年2月に5.3%の高値を付け、5月は4.6%でしたので、0.7%程度しか軟化していません。今回、予想通りなら青はかなり下がってきているので、オレンジのPCEコアの低下も期待できることになります。
(B)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
赤はFRBのインフレ目標値2%
緑は2023年6月時にFRBの2023年末PCEコア予想3.9%
青の矢印は今回予想値
下図はドル円の日足チャートです。5月11日底値からのサポートA(=143円55銭)は先週金曜日に下抜け、今週月曜日の高値はこのAが抵抗線として機能しました。短期的にはドルが弱い状態になっており、下値目途がどこになるかを探る展開になっています。
まず、最初は3月24日底値からのサポートB(=139円20銭)があります。目先は心理的サポート140円の大台代わりをどのように処理するかとなります。もし、このBを切ると、1月16日底値と2月2日底値、4月5日底値などを結んだサポートC(=135円30銭)があります。次いで、1月16日底値と3月24日底値を結んだサポートD(=133円70銭)までの下値余地が広がります。従いBを切ったらC〜Dゾーンを目指す展開をみておきます。
一方、上値は6月20日や21日の高値、先週金曜日の終値付近であるE(=142円20銭〜30銭)がポイントになります。このEを越えればAの抵抗線方向になりますが、A以上を回復しない限り、短期のドル高には回帰しません。
(7月12日9:30 1ドル=139円88銭)
オーダー/ポジション状況
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