1ヵ月ぶりの140円割れ、米消費者物価注視(7/12夕)

12日の東京市場はドルが続落。140円を割り込み一時139.30円レベル、1ヵ月ぶりの安値圏まで値を下げている。

1ヵ月ぶりの140円割れ、米消費者物価注視(7/12夕)

1ヵ月ぶりの140円割れ、米消費者物価注視

〇本日のドル円、右肩下がりで139.30レベルまでじりじりと1円程度値を下げる
〇6/30の年初来高値から5円超える下落、「調整局面」の見方を修正しドル安への基調転換も考えられる
〇7月にも日銀が政策修正に動くといった期待感が高まりつつあるが根拠は乏しい
〇本日は米6月消費者物価指数の他、米地区連銀経済報告の公表、米地区連銀総裁らの講演も多く予定
〇ドル高円安方向は本日東京で割り込んだ140円レベルが最初の抵抗。上抜けても141円前後は頭が重そう
〇ドル安円高方向、本日東京安値139.30レベルを巡る攻防に注目。下回ると次の下値メドは138円半ばに
〇欧米時間のドル円予想レンジは139.00-140.50

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが続落。140円を割り込み一時139.30円レベル、1ヵ月ぶりの安値圏まで値を下げている。

ドル/円はおおむね「寄り付き高・大引け安」。寄り付いた140.35-40円を日中高値にドルは右肩下がり。前日安値や140円を下回っても下げ止まらず、結局139.30円レベル近くまでじりじりと1円程度値を下げた。16時現在でもドルはそのまま安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、途中で北朝鮮が弾道ミサイルと思しき飛翔体を発射したと伝えられたが、為替市場の反応は限定的だった。

一方、材料的に注視されていたものは「NATO会議」と「中国情勢」について。
前者は、昨11日からNATO首脳会議がはじまり、早速「複数年のウクライナ支援を行う」ことで合意した。また、具体的な期限を設けなかったことでゼレンスキー氏からは不満の声も聞かれたが、ウクライナのNATO加盟手続きを進めることで合意したとの発表も別途なされている。一方、ロシアはペスコフ報道官が「NATOはロシアを『敵』のように扱っている」と不満を表明。そのうえで、ロシアの安全保障を守るために何らかの措置で対応すると述べ、報復に動く可能性を示唆していた。なお、NATO会議出席のためリトアニアを訪れているバイデン米大統領と、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談が12日に実施される見通しだ。

対して後者は、以前からなかなか身勝手な行動が目に付く中国だが、今度は香港行政長官が福島処理水の海洋放出をめぐり「日本からの海産物禁輸拡大」を発表していた。また、台湾国防部(国防省)は、過去24時間に中国空軍機32機が防空識別圏に侵入したことを確認したと発表。中国の恣意的行動が常態化していることが明らかになった。そうしたなか、「中国主席、プーチン氏の10月訪中迎え入れ準備」などといった報道も観測されており、一部で物議を醸していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の日足は先週6日から4日連続の陰線引け。そして本日東京時間にもドルは続落しており、約1ヵ月ぶりの140円割れとなっている。6月30日の年初来高値から5円を大きく超える下落で、ギリギリ保ってきた「調整局面」との見方を修正し、ドル安への基調転換も考えるべきところへと達してきたのではないか。
6月安値138.44円を目指したドルのさらなる下落にも要注意。
金融市場は引き続き日米欧の金融政策に対する関心が高い。日本について、いまひとつ根拠の乏しい「7月にも日銀が政策修正に動く」といった謎の期待感が高まりつつあるなか、米国は本日NY時間に発表される米消費者物価指数の内容にまずは注目だ。伸びの鈍化が確認されれば米利上げの打ち止め観測が強まりかねない、などといった見方も取り沙汰されており、ドル/円はさらなる下値模索もあり得る。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は連日の下値トライで、本日東京時間にはついに140円割れ。そしてこれを受け、5月安値133.50円を起点とした上昇幅のフィボナッチ半値押しにあたる139.30円レベルまで、一気に続落してきた。フィボナッチの観点では、ちょうど良いレベルで下げ止まったようだが、果たして下値攻防の行方は如何に。ちなみに、そのフィボナッチの61.8%押しは137.90-95円になる。

本日は米経済指標として、6月の消費者物価指数が発表されるほか、米地区連銀経済報告も公表される予定だ。また、米地区連銀総裁らの講演なども多く予定されているうえ、米国以外のファクターとしてはカナダ中銀による政策金利発表が実施される予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.00-140.50円。ドル高・円安方向は本日東京で割り込んできた140円レベルが最初の抵抗か。上抜けても141円前後では頭がかなり重そう。
対するドル安・円高方向は、前述した本日東京安値の139.30円レベルをめぐる攻防に注目。下回ると明確な次の下値メドは138円半ばとなる。

1ヵ月ぶりの140円割れ、米消費者物価注視

ドル円日足

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