1ヵ月ぶりの140円割れ、米消費者物価注視
〇本日のドル円、右肩下がりで139.30レベルまでじりじりと1円程度値を下げる
〇6/30の年初来高値から5円超える下落、「調整局面」の見方を修正しドル安への基調転換も考えられる
〇7月にも日銀が政策修正に動くといった期待感が高まりつつあるが根拠は乏しい
〇本日は米6月消費者物価指数の他、米地区連銀経済報告の公表、米地区連銀総裁らの講演も多く予定
〇ドル高円安方向は本日東京で割り込んだ140円レベルが最初の抵抗。上抜けても141円前後は頭が重そう
〇ドル安円高方向、本日東京安値139.30レベルを巡る攻防に注目。下回ると次の下値メドは138円半ばに
〇欧米時間のドル円予想レンジは139.00-140.50
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はドルが続落。140円を割り込み一時139.30円レベル、1ヵ月ぶりの安値圏まで値を下げている。
ドル/円はおおむね「寄り付き高・大引け安」。寄り付いた140.35-40円を日中高値にドルは右肩下がり。前日安値や140円を下回っても下げ止まらず、結局139.30円レベル近くまでじりじりと1円程度値を下げた。16時現在でもドルはそのまま安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、途中で北朝鮮が弾道ミサイルと思しき飛翔体を発射したと伝えられたが、為替市場の反応は限定的だった。
一方、材料的に注視されていたものは「NATO会議」と「中国情勢」について。
前者は、昨11日からNATO首脳会議がはじまり、早速「複数年のウクライナ支援を行う」ことで合意した。また、具体的な期限を設けなかったことでゼレンスキー氏からは不満の声も聞かれたが、ウクライナのNATO加盟手続きを進めることで合意したとの発表も別途なされている。一方、ロシアはペスコフ報道官が「NATOはロシアを『敵』のように扱っている」と不満を表明。そのうえで、ロシアの安全保障を守るために何らかの措置で対応すると述べ、報復に動く可能性を示唆していた。なお、NATO会議出席のためリトアニアを訪れているバイデン米大統領と、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談が12日に実施される見通しだ。
対して後者は、以前からなかなか身勝手な行動が目に付く中国だが、今度は香港行政長官が福島処理水の海洋放出をめぐり「日本からの海産物禁輸拡大」を発表していた。また、台湾国防部(国防省)は、過去24時間に中国空軍機32機が防空識別圏に侵入したことを確認したと発表。中国の恣意的行動が常態化していることが明らかになった。そうしたなか、「中国主席、プーチン氏の10月訪中迎え入れ準備」などといった報道も観測されており、一部で物議を醸していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円の日足は先週6日から4日連続の陰線引け。そして本日東京時間にもドルは続落しており、約1ヵ月ぶりの140円割れとなっている。6月30日の年初来高値から5円を大きく超える下落で、ギリギリ保ってきた「調整局面」との見方を修正し、ドル安への基調転換も考えるべきところへと達してきたのではないか。
6月安値138.44円を目指したドルのさらなる下落にも要注意。
金融市場は引き続き日米欧の金融政策に対する関心が高い。日本について、いまひとつ根拠の乏しい「7月にも日銀が政策修正に動く」といった謎の期待感が高まりつつあるなか、米国は本日NY時間に発表される米消費者物価指数の内容にまずは注目だ。伸びの鈍化が確認されれば米利上げの打ち止め観測が強まりかねない、などといった見方も取り沙汰されており、ドル/円はさらなる下値模索もあり得る。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は連日の下値トライで、本日東京時間にはついに140円割れ。そしてこれを受け、5月安値133.50円を起点とした上昇幅のフィボナッチ半値押しにあたる139.30円レベルまで、一気に続落してきた。フィボナッチの観点では、ちょうど良いレベルで下げ止まったようだが、果たして下値攻防の行方は如何に。ちなみに、そのフィボナッチの61.8%押しは137.90-95円になる。
本日は米経済指標として、6月の消費者物価指数が発表されるほか、米地区連銀経済報告も公表される予定だ。また、米地区連銀総裁らの講演なども多く予定されているうえ、米国以外のファクターとしてはカナダ中銀による政策金利発表が実施される予定となっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.00-140.50円。ドル高・円安方向は本日東京で割り込んできた140円レベルが最初の抵抗か。上抜けても141円前後では頭がかなり重そう。
対するドル安・円高方向は、前述した本日東京安値の139.30円レベルをめぐる攻防に注目。下回ると明確な次の下値メドは138円半ばとなる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.07.12
東京市場は約一か月ぶりの139円台突入、雲上限138円50銭水準までの調整も視野に(23/7/12)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、7月下旬に行われる日銀金融政策決定会合での金融政策の転換が意識されて、ドル安・円高が進行。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。