シカゴポジション(CME)391
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年6月20日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、円はシカゴ相場観通りに米ドルロングを積み上げ、豪ドルとユーロはポジション調整しました。NZドルはややショート増ですがまだ方向感ありません。
まずは豪ドルですが、3年前と同じように豪ドルショートを減らしてきましたが、前回の3週目はショートをほぼ半減させましたが、今回はまだ5万枚弱キープしているので、シカゴはまだ豪ドル安終了の判断を下していないと思います。4週目以降、前回は豪ドルロングに切り返したのはここから1ヶ月半後でした。相場は最初の1ヶ月後に一度豪ドル安に戻りましたが、その後は大きく豪ドル高になっています。前回の終値ベースのパターンでは底値@0.5960→A0.6440→B0.6280→C0.70越えを辿っています。
今回は底値@0.6520→A0.6780になっているので、Aまでの上げがやや少なくなっています。高値は0.6900までありました。現在のスポットは0.6770付近でBに相当するかを探っている流れです。まだ豪ドル高への戻り過程にいますので、このパターンを踏襲できるか探ります。NZドルはややショートを積みましていますが、総枚数を8,300枚減らしているので、様子見状態は変わっていません。
円は依然としてネット10万枚越えるショートをキープしており、シカゴのドル先高観は変わっていません。やや総枚数でポジション調整しているので、ドル先高観に強気とはなっていません。相場は順調にドル高推移になっていますが、現在の10〜12万枚を超えていくエネルギーが感じられません。当面は次の目安である15万枚への布石を打つか、このまま直近の天井待ちなのかをみます。現状ではまだ後者の可能性を残しています。ユーロは引き続きポジション調整してきましたが、総枚数では14,000枚弱増やしているので、ユーロ先高観を強めています。1.10〜1.11ゾーンの抵抗線を越えてくれば、ドル買いユーロ売りの枚数を手仕舞いしてくると思いますが、まだ時間かかりそうです。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはネットショートが2,600枚強になりましたが、目安となる5,000枚越えになるまで相場の方向感なしの状態が続きます。ただ、豪ドル同様に6月19日に高値(0.6250絡み)を付け、20日締日では僅かながらもショート増になり、短期的な戻り売りならば上手く対応していると思います。明日の締日でもショート増になれば、NZドル安の相場観が形成されるかもしれません。この場合はオセアニア通貨の括りから、豪ドルの戻りも限定されそうです。下図(2)のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5590〜0.6310にあり、引き続きこのレンジ内での推移が継続しています。3月7日終値(0.6106)と4月25日締日終値(0.6136)を結んだ赤の抵抗線が0.6175付近にあり、先週締日の0.6167は前週に続いてこの抵抗線に止められました。現在のスポットは更に下がっているので、今週も明日のシカゴ締日終値ではこの上抜けになるかを確認します。このまま下がれば黒のトレンドライン下限方向への動きが開始されそうです。
さて実際の相場は、先週「…先週火曜日に上抜け、高値は金曜日の0.6249までありました。最後の抵抗線手前で止まっています。今週もまだNZドル安下での上値トライ継続になっています。上値は0.6260、0.6290〜00、0.6320〜30の順に抵抗線があります。下値は0.6200、0.6150〜60、0.6100にサポートあり、最後を下回って終るとNZドル安の流れに戻され、重要サポートの0.6000を維持できるかになります」としましたが、最初の抵抗線で止められて反落しました。下値は2つ目のサポートで止まっていますが、今週はまだ0.6100方向へのトライが先行しそうです。もしここを切ってくると大台変わりの0.6000方向狙いに入ります。5月31日底値が0.5985ですので、ヒゲでここまでの下値をみておく必要があります。上値は0.6220の抵抗線が重要で、越えれば0.6260〜70、0.6300の順にあります。
(1NZドル=0.6139米ドル、6月26日10:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)
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