シカゴポジション(CME)387
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年5月23日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、ドル円を除きポジション調整になりました。締日までの1週間は豪ドルがやや安くなり、NZドルは横這い。しかしながら、翌24日からはオセアニア通貨は急落しています。ドル円は大幅な円安になり、シカゴはやっと買い増し始めて一段のドル高を見始めているようです。ユーロは約90ピップスのユーロ安で、ポジションの一部を落とした形です。
まずは豪ドルですが、3週間連続でショート積み増し後に一部利確した模様ですが、総枚数を増やしているので、この先に豪ドルロングを手仕舞いして、ショートを積み増しする可能性もあります。先週「相場観として0.65台は通過点と思います」としましたが、状況は変わっておらず、その0.65付近までスポットが下がっているので、更なる豪ドル安の可能性が一段と高まっています。明日の締日で大幅なショート減にならないことを確認します。
NZドルは完全にスクエアで、先週23日の締日終値が0.6242、現在のスポットは0.6045ですので、明日の締日でポジションメークを開始したかを確認する程度になります。ここからショートするとかなりのNZドル安を見ることになります。その場合には、豪ドルも含めてオセアニア通貨安が継続することになります。
円は相場水準が5月9日締日終値135円23銭、16日が同136円39銭、23日が同138円59銭で、順調にドル高となり、シカゴは17日〜23日でドルロングを積み増してきました。
この期間のレンジは136円31銭〜138円95銭ですので、ベストな買いなら136円50銭付近が積み増しのコストになります。昨年10月21日に高値を付けたとき、ネットの円ショートは▼102,618枚(締日は10月25日)でしたので、まだ2万程度積み増せる可能性があります。ただ翌週11月1日では▼77,620枚と一気に利確してきているので、どの時点でロング手仕舞いする期間入りとなるかを見たいと思います。まずは明日9万枚以上に円ショートを積み上げてくるかを見たいと思います。ユーロは押し目買いせずにポジション調整してきました。前週も書きましたが、「ユーロはポジションをひっくり返したのが、昨年10月18日週締日で、締日前のユーロは0.9633〜0.9876レンジ、締日終値は0.9858でした」となり、その後は+18万枚を最大に15〜18万枚で推移しています。10万枚越えてからのコストを含めても現在のスポットはまだ利益がでる水準かと思います。取り敢えず1.05未満になったら要注意となりそうです。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはネットで僅か360枚のショートですので、完全にスクエアとなっています。但し、総枚数が2,300枚増になったので、動き始めになるかを見たいと思います。
下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5630〜0.6350にあり、先週締日終値まではまだレンジ上限に近いところで推移していました。また赤のサポートラインは0.6160付近にありますが、現在のスポットは完全に下抜いています。明日の締日までに0.6160以上に戻せるかを確認します。
さて実際の相場は、先週「…中長期の流れはNZドル安が継続していますが、現状は2月9日、同14日、5月11日高値を結んだ抵抗線が0.6385、下値は3月8日、4月26日の底値を結んだサポートが0.6130にあり、このレンジ(0.6130〜0.6385)で保合いとみておいた方が良さそうです」としましたが、先週24日に大陰線となり0.6130を切りました。木曜・金曜共に続落し、底値は金曜日の0.6033まで下押しています。NZドルはかなり弱い状況に入っています。今週以降はまず心理的サポートの0.60を維持出来るか否かとなります。もし大台割れになった場合は0.5940〜50、0.5900、0.5850の順にあるサポート狙いになります。上値はこれまでのサポート0.6130以上を越えないとNZドルは弱いままです。また5月11日高値からの抵抗線が0.6260にあり、これを越えて終わらない限りはNZドルの戻り余地は広がりません。
(1NZドル=0.6045米ドル、5月29日13:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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