米2月卸売物価指数(PPI)の予想
(2023年3月15日21時30分発表)
本日(15日)、米国2月卸売物価指数(PPI)が公表されます。小売売上高、NY連銀製造業景況指数と同時刻に発表されるので、混乱が予想されますがどの指標数値に反応するのかを見極めたいと思います。
さてPPIですが、前回1月は全ての項目で予想を上回り、インフレ鈍化速度が遅いことを示す結果になりました。発表後のドル円相場は堅調推移でしたが、金利高を嫌気した株安にドルロングを手仕舞する動きから、上値が限定されました。しかしながら、翌週(2月20日週)以降も3月8日のドル高値137円91銭まではかなりドル高の地合いが続きました。
今回2月予想は前月比で全て軟化することになっています。もし予想通りなら8ヶ月連続の低下となります。昨年6月が前年比11.3%でしたので、半減となっています。
下図@(〇印)を見ると、昨年12月からCPI>PPIになり始めており、今回予想通りなら3ヶ月連続となり、先々の物価低下を示すシグナルが続きます。あとはこのインフレの低下速度がFRBにとって忍耐できるものなのかを見ていくことになります。
昨日発表された消費者物価指数(CPI)は年率で予想通りの結果となり、発表前のドル円は134円05銭付近でしたが、昨日の高値134円90銭をつけた後、持ち高調整売りに反落し134円22銭で引けています。銀行破綻もあり金利高になり難い状況下、もしPPIが予想よりも高い数値(但し予想レンジ内まで)が出た場合に金利高となってもその後の株安が想定されそうで、相場は行って来いの流れが予想されます。
2023年3月15日8時30分現在予想
米国の卸売物価指数全体(PPI:オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
@CPIとPPIの同月推移
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
ACPIをPPIから2ヶ月後ろにずらしたチャートにしています。
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
オレンジ色が青を交差して下に抜くとインフレ低下が続くことになります。
下図はドル円の週足チャートです。2021年1月4日週底値から上げたサポートA(=123円35銭)でドル高を守っています。次いで、2021年9月20日週底値からのサポートB(=126円85銭)、更に2022年3月7日週底値からのサポートC(=129円60銭)で3本の強いサポートが出来ています。一方上値は昨年10月21日に高値をつけましたが、その翌週と翌々週の高値を結んだ抵抗線D(=137円75銭)が先週高値137円91銭にも抵抗線として機能しました。
そして昨年5月23日週底値と今年1月16日週底値を結んだサポートE(=128円00銭)をベースに昨年7月中旬が左肩、10月が頭、今回が右肩のヘッド&ショルダーを形成し、今年1月30日週底値からのサポートF(=136円50銭)を切ったので、3月8日高値が右肩の確認になっています。まだ騙し(右肩が先週高値越え)となる可能性ありますが、Eを切ればH&Sは完成します。上値は当面Fを越えて終わらないことが条件になります。従い、今週以降はCとF間のレンジが想定され、リスクはドル安方向になっています。尚、CとF間のサポートと抵抗線は昨日のCPI時添付の日足チャートをご参照願います。
(3月15日14:30 1ドル=134円59銭)
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