米2月雇用統計の予想
本日は2月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回1月は全て予想を上回り、特に非農業部門雇用者数(NFP)は予想レンジ上限を大きく越える増加で、サプライズとなりました。季節調整済の威力をまざまざと見せつけられました。季調前は12月が▼29.3万人(▼24.4万人から下方修正)、1月は▼250.5万人でした。発表前のドル円相場は128円50銭前後で推移していましたが、2時間後には131円台となり、NY市場は131円19銭で引けました。翌週月曜日も132円90銭まで買われ、2月ドル高の端緒の1つになっています。
さて今回予想は失業率は横這い、非農業部門雇用者数(NFP)は巡航速度、平均時給は改善(年率)となっています。特に平均時給は1月PCEコアが4.7%でしたので、収入がインフレと肩を並べるところまできています。8日に発表されたベージュブックでも「幾つかの地区では高インフレや一段の金利高が消費者の自由裁量で使える収入や購買力が下がり続けていると指摘している」と記載があり、実質可処分所得の減少を指摘していました。今後は両者が逆転していくかをみることになります。
さて、各項目を見ると、失業率はFRBの昨年12月時点の2023年末の予想失業率は4.6%(9月4.4%を下方修正)となっており、下方修正しなくて良かった位の数値予想です。非農業部門雇用者数(NFP)は今週のADP社民間雇用者数が24.2万人(予想20万人)でしたので、今回はほぼ同水準になっています。しかしながら、下図(2)を見ると、1月のNFP数値が突出していることが解ります。平均時給は下図(1)を見ると、黒のトレンドラインに回帰してきました。このままラインに沿って上昇していけば米国消費は堅調を辿れそうです。
尚、アトランタ連銀GDPナウは2023年第1四半期GDPが前期比年率+2.6%(3月8日現在)で、前回雇用統計予想時には僅か+0.7%(2月1日現在)でしたので、2月中の1月経済指標がかなり良かったことを示しています。
今回予想
(3月10日9時00分現在)
(1)平均時給(前年比)
平均時給は昨年3月高値からの低下傾向が続いていましたが、今回予想通りなら黒のトレンドラインまで戻ります。FRBの2023年のインフレ予想(2022年12月時予想)はPCEで3.1%、PCEコアで3.5%になっていますので、このままの傾向を辿れば、実質可処分所得増になりそうです。
(2)ご参考
8月からADP社民間雇用数の数値公表が再開されました。2021年以降のADP社とNFPを比較しています。12月までは両者の差異が接近していましたが、1月はNFPが突出した形になっています。
下図はユーロドルの週足チャートです。
2021年5月31日週高値からの抵抗線A(=1.0340)は昨年12月12日週に上抜き、その後はこのAまでの下押しがありましたが、ユーロは上昇しています。昨年9月26日週底値からのサポートB(=1.0445)とそこから平行に上げたC(=1.1250)でユーロ高を形成していましたが、1月30日週に高値1.1033をつけ、更に昨年10月31日週底値からのサポートD(=1.1250)を切ってからユーロ安方向に調整しています。
現状はBのサポートを守り、再度C方向への動きに回帰できるのか、Bまでの下押しトライになるのかとなっています。万一Bを切れば、BとCのユーロ高トレンド切れになり、まずサポートAを守れるのかを探る展開になります。
尚、B・C間の上値抵抗線は1.0640、1.0670、1.0700〜10にあり、最後を越えて行かない限りはC方向への流れに入れません。
(2023年3月10日10:45、1ユーロ=1.0593ドル)
オーダー/ポジション状況
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