基本レンジ、ただそのなかで荒っぽい変動も
〇本日のドル円、ドルの買い戻しが優勢になり137.25レベルまで1円程度の上昇
〇しかし上値重く137円台に定着できず、16時現在は136.70-75で推移
〇しばらくは136.00-137.50をコアレンジとするなか、次の方向性を探る展開に
〇来週のFOMCを前にしたブラックアウト期間、米通貨当局者による講演などの発言機会もとくに予定なし
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.50
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、結果として行って来い。一時137円台を回復する局面も見られたが定着は出来ず、ドルの上値は重かった。
ドル/円は136.60円レベルで寄り付いたのち、136.25円レベルへと軟落し日中安値を示現。しかし、その後はドルの買い戻しが優勢となり、137.25円レベルまで1円程度の上昇をたどっている。ただ上値は重く、137円台に定着できず。夕方に掛けて下値を崩すと寄り付きに近いレベルまで軟化。16時現在では136.70-75円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、欧州委員会が対ロシア制裁の第9弾を提案したことが明らかになるなか、米国もロシア軍を支援したとして24企業・団体を輸出規制リストに追加したと発表している。ますますロシア包囲網が厳しくなるなか、ロシアのペスコフ報道官から、米国が6日に公表したウクライナへの安全保障支援を盛り込んだ米国防権限法案(NDAA)について、「米国はロシアに対して対立的だ」とした批判コメントが発せられていた。ただ、プーチン大統領はテレビ演説で「ロシアはあらゆる可能な手段を使って自国の利益を守るために戦う」などと述べ、強気の姿勢を堅持していたようだ。
対して後者は、習国家主席が2016年1月以来約7年ぶりにサウジアラビアを訪問。バイデン米政権との関係がぎくしゃくするサウジとの関係強化で、西側諸国との対立強化を狙う考えだ。そうしたなか、中国全人代外事委員会の傅副主任委員からは、英米と防衛同盟を結んでいる豪州に対し、「経済パートナーとしての信頼性に疑念が生じている」との発言が聞かれるなど関係取り崩しに向けた別の動きも観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は2日に133.63円の安値を示現後、Vの字型の回復。昨日137.86円まで一時は4円以上値を戻したものの、上値トライもすでに一服した可能性がある。何度かレポートした137.50-00円の重要抵抗帯をしっかりと超えられなかったことが大きい。もちろん断定はできず、予断を許さないが、来週の米FOMCをにらみつつ、しばらくは136-137円台を中心としたレンジ取引をたどる展開も否定できない。
年内最後の大きな市場変動要因と目される来週13-14日の米FOMC、そして11月の米消費者物価指数への注目度が依然として高い。ただ、見通しについては見解が分かれており、それもあり米金利情勢や為替相場ともに腰の定まらない乱高下を繰り返している。短期的には引き続き発表される米経済指標の内容などに一喜一憂する展開か。商いが非常に薄く、一日に2円程度の変動をたどることも多いだけに、予想以上の振れには十分注意したいところだ。
テクニカルに見た場合、昨日レポートしたようにドル/円の目先相場観はニュートラルになった。底堅い反面、上値も重く形成レンジは取り敢えず限られそうだ。ただ、薄商いもあり、そのレンジのなかで荒っぽい値動き、激しい乱高下をたどる可能性もある。しばらくは136.00-137.50円をコアレンジとするなか、次の方向性を探る展開を見込む向きも多い。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるものの、それ以外は目立った材料なし。来週のFOMCを前にしたブラックアウト期間で米通貨当局者による講演などの発言機会もとくに予定されていない。ただ、ラガルドECB総裁など欧州要人の講演は幾つか実施される予定で、そちらには一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.50円。ドル高・円安方向は東京高値の137.25円レベルが最初の抵抗。抜けると、137.50-00円のゾーンが再びターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京も近いレベルで下げ止まった昨日安値136.22円をめぐる攻防に注目。割り込むと136円、さらに場合によっては135円台突入も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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