ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。
〇ドル円137円を挟んで方向感に欠ける動き、米株堅調でやや売られ早朝は136円台後半で推移
〇ユーロドル、欧州時間に1.0490まで下落後、米国時間午後にかけ1.0564まで反発
〇特段の材料ないままに比較的振れの大きな相場が継続
〇テクニカル、ファンダメンタルズは引き続きドル円相場の下落を連想させる材料多い
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとて予想
〇本日の予想レンジ:135.50ー137.50
海外時間のレビュー
8日(木)のドル円相場は振れを伴いながらも方向感に欠ける展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)年末に向けての需給のドル買い、(3)プーチン露大統領による「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」との発言に端を発した地政学的リスクのドル買い圧力が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値137.24まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米主要株価指数の堅調推移や、(5)上記4を背景としたリスク選好のドル売り圧力、(6)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国勢参入後に安値136.32まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/9午前5時30分現在)では、136.65前後で推移しております。
8日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)プーチン露大統領による「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」との発言に端を発した地政学的リスクのユーロ売り・ドル買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0490まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)株式市場の堅調推移や、(4)上記3を背景としたリスク選好のドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0564まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/9午前5時30分現在)では、1.0560前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日記録した約1週間ぶり高値137.87をトップに反落に転じると、昨日は再び136円台へと軟化しました。何か真新しい材料が出たわけではないにも係わらず、予想以上に値幅が大きくなる相場展開が続いております。アップサイドから複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立していること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは弱い(押し目買いでは無く、戻り売りに優位性あり)と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金融政策の方向性の違い(米利上げペース鈍化が意識される米国と、ポスト黒田体制下で出口議論開始が警戒される日本)や、(2)それに伴う円キャリートレードの巻き戻し懸念(本邦個人投資家を中心としたドル円ロングの大規模アンワインドへの警戒感)、(3)原油安に伴う本邦貿易赤字の縮小期待(構造的な円売り圧力は幾分和らぐ見込み)、
(4)来週の2大ビッグイベント(米CPIと米FOMC)を控えたポジション調整など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとて予想いたします。尚、本日は米11月生産者物価指数と米12月ミシガン大消費者信頼感指数に注目が集まります。米11月生産者物価指数が前月に続いてインフレ鈍化を示唆する場合や、米12月ミシガン大消費者信頼感指数が市場予想を下回る場合などには、米利上げペース鈍化期待(来年2月FOMCでの利上げ幅が25bpに留まるとの思惑再浮上)→米長期金利急低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わりそうです。状況次第では、週末のポジション調整も相俟って、心理的節目136円や135円を一気に割り込んでくる恐れもあるため、本日海外時間はドル円のダウンサイドリスクに特に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:135.50ー137.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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