シカゴポジション(CME)362
先週木曜日が感謝祭で市場が休場となり、例年4連休となる為、シカゴポジションの更新が昨日となりました。
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション
(単位:枚)(2022年11月22日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは前週に続きドル安地合いが強い中で、ユーロ以外は、ドル高の相場観を維持しています。全般的に総枚数を減らす動きなので、腰が引けた動きに留まっています。NZドルが方向感無しの枚数まで下がっているので、今週以降に豪ドルか円がどの様なポジションを辿っていくのかをみます。
その豪ドルは僅かネットショートを約2,000枚縮小した程度。NZドルは目安の6,000枚〜7,000枚を割り、相場観がなしの状態となりました。豪ドルはショート戦略にしたのが、2021年6月からで約1年半経過し、上手くショート回転をさせてしました。直近では最大ショート6万枚時(8月23日締日終値0.6930)から、10月底値0.6270〜0.6300で一部手仕舞いし、その後10月25日(締日終値0.6394)に再度51,000枚まで積み上げており、終値を単純に計算すればショートのコストが0.66台後半になるので、先行きどうするか注目されます。昨日の予想を下回る小売売上高に救われた形ですので、今後2〜3週程度で相場観自体を変えてくる可能性もあります。
円は60,000枚以上のドルロングを継続しており、押し目で拾ってくることもせずに、様子見となっています。前回も書きましたが、8月9日締日(終値135円05銭)にネットショート25,000枚で、ここから再度ドル買いに転じ、10月25日締日(終値147円93銭)で102,600枚のショートになっています。平均コストは140円〜142円程度と計算しましたが、現状のスポットではアゲインストしている可能性があります。その意味で今回も押し目買いしていないのは要注意と思います。ユーロはショートポジションを手仕舞いして、ロングを積み上げた格好になっています。12万枚越えになりましたので、ユーロ先高観を強めています。高値は28日に2回目トライの1.0500手前までありましたので、今日の締日でも現状のネットポジションを維持していれば、相場観としては1.05を越えるユーロ高を見ていると思います。
先週のシカゴは、ロング250枚増、ショート2,100枚減となり、ネットショート2,350枚減となりました。僅かとは言え、戻り高値でNZドルを買い、ショートは手仕舞いしています。引き続きシカゴはリスク回避姿勢で、ネットポジションはほぼスクエアとみて良いと思います。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドラインが0.5880〜0.6600にあり、このライン内で推移しています。先週に5月31日締日(0.6513)から、赤の抵抗線を引きましたが、22日締日終値(0.6156)も2週連続で止められています。現在のスポットはやや上抜けかけており、今日の締日で0.6180以上なら上抜けし、その場合はトレンドライン内の上限まで上値余地が広がります。
さて実際の相場は、先週「…まだNZドルは強い状態を維持していますが、やや下押しの可能性を残しています。但し、豪ドルよりは弱くない形です。サポートは0.6060と0.6000の2つで、後者が切れると押しが深くなります。上値は引き続き0.6160〜70の抵抗線強く、この上に0.6210があります。これを越えて行けば0.6250、0.6320の抵抗線が視野に入ります。今週は23日にNZ中銀の金融政策が控えているので、0.6000〜0.6210レンジを抜ける可能性があります…」としましたが、先週は底値0.6087迄で0.6060サポートを守り、NZ中銀の利上げで、文中のレンジを上抜けて0.6289の高値まで反発し、昨日の豪ドル安に連れて売られています。
10月13日底値からのNZドル高トレンドラインが0.6000〜0.6240にあり、昨日のNZドル売りで、このトレンドライン内に回帰しています。従い、目先のNZドルはやや弱い状態になっており、0.6130〜0.6140、0.6090〜0.6100、0.6060の順にある下値模索になっています。NZドル高にはトレンドライン上限の0.6240を越えていくとことが必要になります。(1NZドル=0.6186米ドル、11月29日11:05)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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