豪経済の構造変化
豪州中銀Kent副理事(経済担当)の講演(“ブームの後で”)から一部抜粋した内容で、鉱山ブーム前からの2002年〜2016年にかけての鉱山関連と非鉱山関連の数値をグラフ化したものです。
上段部分:鉱山関連の経済活動推移で、棒グラフのオレンジ色はネット鉱山投資の伸び、青色はネットの資源輸出の伸びを示したもの。折れ線グラフはその合計した伸び
下段部分:非鉱山関連の伸び率を表したもの
資源関連投資は相変わらずのマイナスの伸びに対して、鉱山関連の純輸出額伸びは増加しており、最近鉱山関連がGDPにプラスの影響を与えていることが解ります。一方で、非鉱山関連は2009年を底にして、着実に右肩上がりのトレンドになっています。
流石に最近頭打ちにはなっていますが、まだ上昇過程の修正域内にいると思われます。これらを合わせてみると、豪州経済はかなりバランスとれた経済成長の中にいると思われます。
それでは非鉱山関連の内容を見てみると、
下図はGDP伸びにおける4項目(左上:家計消費、右上:住宅投資、左下:純サービス輸出、右下:公共需要)の貢献度を示したグラフです。
GDP伸びにおける4項目(左上:家計消費、右上:住宅投資、左下:純サービス輸出、右下:公共需要)の貢献度
上記項目で家計の伸びが横ばいに近い形となっています。実質所得の伸びが鈍化しているので、まだ期待し難いところがあります。住宅投資は高値圏で横這っている状態になっています。また、純サービス輸出と公共需要が回復しており、家計と住宅の伸び悩みに対応している形となっています。
現在牽引している純サービス輸出と公共需要が引っ張っている間に、消費などが伸びてくると豪州経済は一段の拡大方向に入り、利下げ打ち止めの流れになると思われます。
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