トルコリラ円レポート月曜版
トルコ中銀の翌日物貸出金利引き下げ、影響は限定的
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですがトルコリラ円は「33.80レベルをサポートに、34.40レベルをレジスタンスとする」流れを予想しました。実際のレンジは安値が33.75レベル、高値が34.48レベルと、ほとんど予想通りの動きとなりました。
先週は、トルコ中銀の翌日物貸出金利引き下げはあったものの、予想通りの展開でありトルコリラ円への影響は限定的でした。そして、金曜にはイエレン議長講演とフィッシャー副議長発言によりドル高へとシフトしてきましたが、ドル円だけでなく、ドルトルコリラもドル高へと動いているため、トルコリラ円は、ややトルコリラ高・円安へと動いたという程度です。
米国雇用統計の結果次第ではドル一段高
そして、イエレン議長以上にフィッシャー副議長の発言が2週続けて大きなインパクトをもたらしましたが、週報にも書いた通りで、今週金曜の米国雇用統計(コンセンサスは失業率が4.8%、NFPが+18万人の予想)の結果次第では、一気に9月FOMC(20・21日)における利上げ思惑が膨らみ、ドルが一段高の動きとなってくると考えられます。
ただ、発表自体は金曜NY市場と週の終わりですから、そこに向けての動きでは期待感から「ドル」が底堅い動きとなり、ドルトルコリラとドル円とのドルが買われるスピード差によってのみトルコリラ円の動きに影響が出て来るとすれば基本的には中立、スピード差でもって多少の上下をともなうといったところです。
こうした時には、トルコ円に限ったことではありませんが、3つの通貨ペアを並べその時々でどの通貨ペアがリードしているのかを考えることは役に立ちます。次のチャートは、到達確率チャート過去2週間分を上からドルトルコリラ、ドル円、トルコリラ円の3つ並べたものです。
ドルトルコリラ、ドル円、トルコリラ円 到達確率チャート
先週(右半分)のトルコリラ円(下段)を見ると、動きは限定的であったものの週前半は対ドルでトルコリラが弱含み、ドル円がもみあいとなっていたことからトルコリラ円が下げ、その後は対ドルでトルコらが調整から強含んだことで、トルコリラ円が戻していると、ドルトルコリラがリードしていることがわかります。
また、金曜に関してはドル買いが対トルコリラ、対円ともに進んでいますが、ドル円がもみあい後のドル買いの動きとなったことで、おそらくストップオーダーを巻き込みながらドル円がよりスピードが速い動きとなり、それが結果としてトルコリラ円の上昇につながったと考えることが可能です。
今週は材料不足という事もあって一般論としてのクロス円の見方の話となりましたが、ユーロ円の場合は、ユーロドル、ドル円、ユーロ円というように、やはり3つの通貨ペアを並べて見ることは重要です。私も到達確率チャートで、ドル円、ユーロドル、ユーロ円、日経先物、ダウ先物、WTIの6つの1時間足チャートを常にスクリーンに出しています。
さて、今週のトルコリラ円ですが、基本的に先週NY終値をニュートラルにもみあいとなり、若干ドル円でのドル買いの勢いのほうが勝りやすいと考えています。34.30レベルをサポートに、34.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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