「腹八分目」の日銀追加緩和。株・為替乱高下の後、株は上昇ドル円下落
為替は早朝から乱高下、政策発表後一時102円台まで下落
日銀政策決定会合の結果公表当日の今日、為替市場は早朝から乱高下を繰り返しました。
早朝105円台の後半で取引が行われていたドル円は東京オープン前の薄い市場で、突然103.41まで急落。すぐに買い戻されましたが以後は104円台で推移。この間も突然50銭以上の幅で上下に動く、荒い値動きが何度となく繰り返されました。
そして迎えた政策決定会合ではETFの買入がほぼ倍増したものの、他の主要な項目は不変。
発表直後追加緩和の安心感から105円台後半を回復した後に、物足りなさからか安値102.71まで急落。しかし、マイナス金利の深堀りがなかったことから株式市場で金融株が反発、内容自体も一定の評価を得て徐々にドル円は戻し、103円台後半での取引となっています。
株式市場は金融株が支え終盤にプラス転
一方で株式市場は前場は様子見気分の強い小動きに終始。
政策決定会合終了後は為替と同様一瞬上昇の後大幅下落に転じ日経平均株価の上下幅は500円を超え、その後も乱高下しました。
しかし株のほうは、追加緩和項目が株価に直結するETFの増加額拡大であったことや、前述のとおり金利深堀りによる損失を免れた金融株が下支えした形で終盤にかけて次第に値を戻し、終値は前日比プラス件を確保92円高の16,569円で終了しています。
リスクイベントを最小限のダメージで通過?
15:30から黒田総裁が記者会見を行いましたが、特筆すべき内容もなく無難にこなした印象でした。
今回の日銀政策決定会合は早い時期から注目を集め、過度の期待が加わった上に政府筋からのプレッシャーも強い状況で、いずれの結果でも失望からの円高、株安は避けられないとされた中、ゼロ回答を避け、金融機関への更なる悪影響を防ぎ、かつ更なる緩和余地を残した今回の決定は結果的に日経平均が前日比プラスで終わったことからも、上出来の部類といえるでしょう。
リスクイベントを通過し、これで、8月に財政政策が承認されればしばらくは先行きへの安堵感から株式の上昇相場と過度の円高の回避が期待できそうです。
ドル円は雲の下に押し戻された水準
ただし、ドル円に関しては一目均衡表の下限104.08を下回る水準で推移しており、今晩海外時間以降、下限と上限の105.46を回復していけるかにも注目です。
序盤の欧州株価指数先物はおおむね横ばいからプラス圏で推移、今晩は18:00に欧州圏の第2四半期GDPと7月の消費者物価指数、21:30には米国の第2四半期GDPと個人消費、22:45にシカゴ購買部協会景気指数、23:00ミシガン大消費者信頼感指数等の発表があります。
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