日銀追加緩和で円乱高下一時102円台
日銀追加緩和するもやや期待はずれな内容に円買い株売りの動き
日銀は29日に発表した政策決定会合でETFの保有残高ベースの増加額を現在の3.3兆円から6兆円に増額する追加緩和を決定しました。
また、成長資金供給・米ドル特則(金融機関経由の企業の海外展開支援資金)を240億ドルと現行の倍に、更に金融機関に対する米ドル資金供給オペの担保となる国債の当座預金見合いの貸付制度を新設しました。
マネタリーベース年間増加額80兆円を含むその他の項目は変更しませんでした。
発表前104円台後半で取引されていたドル円は一瞬105円台後半まで上昇した後102円台へ急落。その後は103円を挟んだ値動きの荒い取引となっています。
日経平均も一時300円を超えて下落しましたが、後にやや戻しています。
ゼロ回答回避、政府経済対策と連携は一定の評価
日銀の決定は政府の経済対策と歩調を合わせ、「ゼロ回答」は回避する内容となっていますが、ETFの増加ペースこそ大方の予想金額を上回ったものの、全般的にはやや物足りなさの残る内容と受け止められたものと見られます。ただし、一方的な円高株安とはなっていないことからも一定の評価は得られたものとも考えられます。
まだ、市場は完全に落ち着いた状況ではありませんが、いずれにせよ事前の期待が大きすぎて反動は避けられない状況であったことを考えれば、このまま海外市場も乗り切れるようであれば、切り札を使い切らずにまずは無難に乗り切ったと見てよいのではないでしょうか。
この後15:30よりの黒田総裁の会見に注目が集まります。
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「マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」
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