トルコリラ円見通し 11月19日のトルコ中銀会合控えて調整気味、円高も圧迫要因(20/11/18)

トルコリラ円は、上昇一服でやや押され気味の推移となり17日夜には13.35円まで下げ、18日未明に13.57円まで戻したがその後はやや軟調推移となっている。

トルコリラ円見通し 11月19日のトルコ中銀会合控えて調整気味、円高も圧迫要因(20/11/18)

11月19日のトルコ中銀会合控えて調整気味、円高も圧迫要因

〇トルコリラ円、17日夜13.35まで下げ18日未明に13.57まで戻した後は軟調推移
〇11/19のトルコ中銀金融政策決定会合控え、13日夜から調整気味の推移
〇対ドルのトルコリラも16日午後以降は上昇一服
〇エルバン新財務相、2020年のトルコ経済成長率見通しを0.3%増とする
〇エルドアン大統領、週末に全土で部分的なロックダウンを行うと発表
〇17日夜安値13.35割れからは13.00を目指す下落を想定
〇18日未明高値13.57超えからは上昇再開とみて13日夜高値13.82試し

【概況】

トルコリラ円は11月6日安値11.99円から11月13日夜高値で13.82円まで大幅上昇してきたが、その後は上昇一服でやや押され気味の推移となり17日夜には13.35円まで下げた。18日未明には13.57円まで戻したが18日午前はやや軟調推移となっている。
11月7日のトルコ中銀総裁更迭、8日の財務相辞任表明と続いたことで市場の不安も増したのだが、財務相に副首相を充てたことで経済財政政策の改革期待へと市場心理も変わり、11月9日からはそれまでのリラ安一辺倒の流れから買い戻しが殺到して急騰商状となった。11月6日夜安値からの上昇率は15%を超えたが、11月19日にはトルコ中銀の金融政策決定会合もあるため、市場の期待に応える利上げへ踏み切るのかどうかを見定めたいとして13日夜からは調整気味の推移となっている。

【対ドルでのリラ反騰一服、ドル円の円高が圧力に】

ドル円は16日夜に米モデルナ社ワクチン報道から一時的に反騰したが、9日のファイザー社ワクチン報道で急騰したところでワクチン関連の買いを織り込み済として反応は鈍く、それよりも足元の感染爆発が収まらずに経済活動規制が拡大し始めていることへの警戒感で一時的な反騰後には失速した。17日には16日夕刻安値を割り込んで一段安に入り104円割れへの余裕が乏しくなっているが、既に11月6日安値101.17円から11日深夜高値105.67円までの上昇幅に対する半値を削っており、円高再開感が強まり始めているため、トルコリラ円にとっても売り圧力がかかる状況に入ってきた。
対ドルでのトルコリラは11月6日夜に8.57リラまで史上最安値を更新した後はトルコ金融経済政策改革期待で反騰に転じ、16日午後には7.59リラまで戻してきた。この間の上昇率は凡そ11.5%だが、16日午後以降は上昇一服となっている。

明日19日にはトルコ中銀の金融政策決定会合があり、政策金利について市場は現行の10.25%から15%への引き上げを予想している。期待に応えればリラ高がさらに進む可能性がある一方、期待を裏切ればリラ安再燃へ向かいかねないところだ。
トルコのエルバン新財務相は17日に議会の予算委員会会合で2020年のトルコ経済成長率見通しを0.3%増とした。前任のアルバイラク前財務相は成長率見通しを0.3%、最悪のシナリオでは1.5%のマイナス成長としていたがエルバン新財務相も従来の見通しを踏襲しているようだ。トルコ政府の中期計画では今年の財政赤字の対GDP比率で4.9%としているが、エルバン新財務相はそれを下回るとの認識を示しているようだ。またインフレ率を恒常的に1桁にまで低下させることが政府の主要目標だとも語った。新財務相の手腕に期待がもたれるが、エルドアン大統領の采配次第でもある。

【トルコも部分的週末ロックダウンを再開】

トルコのエルドアン大統領は17日、新型コロナウイルスの感染再拡大により週末に全土で部分的なロックダウンを行うと発表した。大統領は「封鎖は、生産・供給網に弊害が生じない方法で、週末の午前10時から午後8時を外して実施する」と述べたようだ。
トルコの新型コロナウイルス感染者累計は42万人を超え、17日の増加数は3819人となり、第一波のピークだった4月11日の5138人増に迫っている。9月末までは無症状者をカウントしないとしていたこともあり、その後はカウントしているといわれているが実際の感染者数はさらに多い可能性も考えられる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月6日夜安値をサイクルボトムとして急騰に入ってきたが、10日早朝高値でいったんサイクルトップを付け、10日夕刻安値を押し目底として新たな強気サイクルに入ったため、13日時点では13日早朝から17日朝にかけての間への上昇余地ありとした。13日夜高値からは新たな高値更新へ進めずに推移していたため、17日午前時点では13日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、安値形成期を16日午後から18日夕刻にかけての間とした。17日夕安値からやや戻したためにボトムを付けた可能性もあるので13.65円超えからは強気サイクル入りとして18日夕から20日夜にかけての間への上昇を想定するが、13.65円を超えないうちはボトム形成期の延長入りか、17日夕安値を直近のサイクルボトムとして底割れから連続的な弱気サイクル入りとなる可能性もあると考える。

60分足の一目均衡表では13日夜高値以降の上げ渋りにより遅行スパンは悪化に入り、先行スパンからも転落してきた。18日午前時点も両スパンの悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とみる。強気転換は先行スパンを上抜くところからとする。

60分足の相対力指数は17日夜に30ポイント台序盤へ低下してから50ポイント超えへいったん戻したが、18日午前時点では再び50ポイントを割り込んでいる。55ポイント超えからは上昇に入るとみて60ポイント台後半を目指すとみるが、50ポイント以下での推移が続くうちは一段安警戒とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、17日夜安値13.35円を下値支持線、18日未明高値13.57円を上値抵抗線とする。
(2)13.57円以下での推移中は下向きとし、13.35円割れからは13.00円を目指す下落を想定する。13.20円以下は反発注意とするが、17日夜安値を割り込んだ状況が続く場合は19日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.57円超えからは上昇再開とみて13日夜高値13.82円試しとするが、13.80円以上は反落注意とみる。さらに高値更新へ進むとすれば中銀の利上げを確認してからと考える。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月19日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 10.25%、予想 15.0%) 
 20:30 週次外貨準備高 11/13時点
11月20日
 16:00 11月消費者信頼感 (10月 81.9)
11月23日
 17:00 10月観光客数 前年比 (9月 -59.4%)
11月24日
 16:00 11月製造業景況感 (10月 108.1)

注:ポイント要約は編集部

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