欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想
(2021年3月11日木曜日:東京時間21時45分、ラガルド総裁記者会見は22時30分)
本日はECB金融政策会合が開催され、その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。
欧州中央銀行政策金利予想(3月11日9時00分現在)
前回1月時の会合では、市場の予想通り金利及び債券購入などの緩和策は全て据え置きとなりました。今回も全てのエコノミストが現状通りの予想になっています。但し、前回の議論の中で、
「…メンバー達は冒頭のレーン氏による提案された金融政策パッケージ(追加の金融政策措置を講じる内容:12月時の債券購入額拡大措置)に合意すると表明した。それはパンデミック期間中よりも長い期間、経済の全ての部門に対する信用供与を継続して支え、その結果経済活動を下支え、中期の物価安定を守るという、好ましい金融状態を維持することを目的としている。パンデミック下で、好ましい金融情勢を保つ手段として、PEPP購入の拡大と延長、TLTRO V状況の再調整が最も適切であると見ている。」と述べており、もし追加緩和があるとしたら、債券購入額の拡大になりそうです。
今回の注目点としては、
@ 最近の中長期金利上昇に対するコメントやその対応策(現行でもPEPP購入の増額で対応していますが、現状の購入額自体を増額するのか否か。すなわち最近の金利上昇がECBの自由度を束縛しているが、具体策でそれに対応を示すか等)
A 欧州域内でコロナウィルス異種株が目に見えて拡大していますが、この辺りの懸念を含め2021年から2022年の経済見通しに影響を与えるか。
B 総裁の記者会見で、最近の為替動向(前回1月21日終値は1.2164でややユーロ安推移)に関する質疑応答があった場合にその内容。
などが予想されています。
下図は少し長めのユーロドル週足チャートです。ユーロ高トレンドラインラインA(=1.1460)とB(=1.2230)でユーロ高を続けていましたが、2月にBを下抜いてからはC(=1.2210)とそこから平行に下したD(=1.1860)で短期的なユーロ安トレンドに入っています。今週のユーロ底値が1.1836ですので、下ヒゲで僅かに抜けていますが、まだ誤差の範囲内です。
一方で、赤の38週線(=1.1831)と青の62週線(=1.1534)でユーロ高の移動平均線を形成していますが、昨年6月初に38週線を上抜いてからは初めて今週このラインにタッチしました。もし38週線以下に潜り込むとユーロ高からは一段の調整になります。
今週は昨日まででたくり線になっており、サポートのDと38週線が下値目途となり、下限を守り切れるのかが今週のポイントです。その意味で今日のECBは長期金利を抑え込むスタンス(緩和)を明確にするのか、最近の長期金利上昇は一過性として何もアクション取らないのか(金利高容認)で、相場には上下の影響がでそうです。
(2021年3月11日10:30、1ユーロ=1.1922ドル)
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