南アランド週報:『約3ヵ月ぶり安値圏へ急落。利上げ決定でもランド売りは止まらず』(11/20朝)

南アランド円相場は10/20に記録した直近高値7.95円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、8/23以来、約3ヶ月ぶり安値となる7.21円まで急落しました。

南アランド週報:『約3ヵ月ぶり安値圏へ急落。利上げ決定でもランド売りは止まらず』(11/20朝)

『約3ヵ月ぶり安値圏へ急落。利上げ決定でもランド売りは止まらず』

〇今週の南ア円、週末にかけ約3ヵ月ぶり安値となる7.21まで急落、対ドルは史上最安値更新
〇ドルの上昇、国営電力会社エスコムによる計画停電の実施発表、プラチナ価格の軟調等が要因
〇南ア中銀11/18に政策金利の引き上げ(3.50%→3.75%)を決定するも反応薄
〇南ア円、転換線や基準線、雲上下限、200日移動平均線や90日移動平均線など下抜け、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南アランドのダウンサイド意識させる材料多い
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.40

今週のレビュー(11/15−11/19)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.41円で寄り付いた後、翌11/16にかけて、週間高値7.52円まで上昇しました。しかし、90日移動平均線に続伸を阻まれると、@米経済指標の力強い結果(米利上げ前倒し観測→米金利上昇→新興国から米国の資本流出圧力)や、A南アフリカの国営電力会社エスコムによる計画停電の実施発表(11/17午後から11/20早朝まで)、B上記Aを背景とした南ア経済の先行き懸念(南ア中銀は2021年GDP成長率予測を5.3%から5.2%へ小幅下方修正)、C世界的な株価の下落(リスク回避の新興国通貨売り)、Dプラチナ価格の軟調推移が重石となり、週末にかけて、8/23以来、約3ヵ月ぶり安値となる7.21円まで急落しました(対ドルでは史上最安値更新)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/20午前3時10分現在)では7.23円前後で推移しております。尚、南ア中銀は11/18に政策金利の引き上げ(3.50%→3.75%)を決定しましたが、南アランド買いでの反応は限定的となりました。

来週の見通し(11/22−11/26)

南アランド円相場は10/20に記録した直近高値7.95円(約4ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、今週末にかけて、8/23以来、約3ヶ月ぶり安値となる7.21円まで急落しました。この間、主要チャートポイント(一目均衡表転換線や基準線、雲上下限、200日移動平均線や90日移動平均線など)を軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを決定づけるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@電力会社エスコムによる計画停電の長期化懸念や、A南ア経済の先行き不透明感(南ア経済に先行き不安が燻っているにも係わらず、南ア中銀はインフレ退治を目的に利上げを実施→南ア経済の更なる下押し圧力に繋がる恐れ)、B与党・アフリカ民族会議(ANC)の求心力低下(先日実施された5年に1度の南アフリカ統一地方選挙で与党ANCの得票率が初めて半数を下回る結果)、C上記Bを背景とした南アフリカの政情不安再開の恐れ(本年7月に発生したようなデモや暴動が再開することに対する警戒感)、D米国で高まるインフレ懸念(米利上げ前倒し観測台頭→対外債務を抱える南アフリカから国外への資本流出圧力)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(米主要株価指数や米長期金利、南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の動向を睨みながらも、基本的には新興国通貨売りの流れの継続を想定。8/20に記録した直近安値7.11円が射程圏内)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.40

『約3ヵ月ぶり安値圏へ急落。利上げ決定でもランド売りは止まらず』

南アランド円日足


注:ポイント要約は編集部

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