NY原油アップデート
昨日のNYタイムにOPEC総会が開かれ、これまでも何度もテーマとなった増産凍結といった上限枠設定を期待する向きもあったのですが、結局は前回同様に何の合意にも至りませんでした。このニュースを受け、WTI原油先物は49ドル台から一時的に47.97ドルまで売り込まれましたが引けにかけては再び49ドル台を回復する行って来いの動きとなりました。
急落後の急反発の要因としては、EIA週間石油在庫統計で在庫が減ったこともありますが、在庫減は予想されていたものよりは少なく、どちらかというと原油自体の足元の需給改善とNYダウの反発が要因となったと考えられます。
ただ、需給改善とは言っても少なくとも2016年中は供給過多の地合いは続きますし、5月19日の当コラムで書いたような押しはいまだ見られないものの、テクニカルには高値圏にあるという見方にも変化はありません。限月交代もありましたので、今一度週足チャート(期近つなぎ)をご覧ください。
WTI週足
このチャートを見るとわかりますが、現状では昨年10月9日高値50.92ドルがレジスタンス(ピンクのライン)となっていることがわかります。少なくとも同水準を明らかに上抜けない限り、今年2月以降の上昇トレンドに対していつカウンターの押しが入ってもおかしくないと見ています。
ただ、ひとつ気になる点として期近(現在は7月)と2番限月(現在は8月)の限月交代時のコンタンゴ(期先高のプレミアム)が縮小を続けていることです。このコンタンゴについても以前書いたことがありますが、今年2月以降スプレッドが着実に減少しています。本日現在では、7月限が49.20ドル、8月限が49.68ドルとわずか48セントとなり、限月交代時のスプレッドは50セント程度となっています。
このコンタンゴにおけるスプレッド縮小は、スポットの需給改善により期近の原油価格が上がることにより起きているとされ、もし今後もスプレッド縮小が続くようだと、思った以上に需給改善が続いていて原油価格が下げにくい地合いが続くということが考えられます。単に期近物の価格推移を追うだけではこうした点は見えてきませんので、引き続き調整を考えつつもコンタンゴのスプレッド推移も注視していきたいと思います。
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Edited by:山中 康司
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