原油急落
昨日はOPEC総会があり、事前のコンセンサスは前回の総会で決まった減産合意を延長するであろうというものでした。
総会を前にひょっとしたらそれ以上のサプライズがあるかもしれないという思惑もあり、前日終値(WTI51.29ドル=GLOBEX、以下同)から欧州市場序盤の夜間取引では52.00ドルまで上昇し5月に入ってからの新高値を更新しました。OPEC総会ではコンセンサス通りに来年3月まで9か月間の減産を継続することが決まりましたが、それに対する市場の反応は売り浴びせとなり、NYの引け間際には48.45ドルの安値を付けました。
52.00ドルから考えると3.55ドルもの下げで、割合としては6.8%にも達しています。サプライズが無かったことから材料出尽くしということによる、これまで買ってきた向きの利食いが出たと同時に、今後も供給過剰の状態が続くことに対する懸念も重なっての大幅安を演じることとなったわけです。そうなると、どこまで下げる可能性があるかが気になるところです。
次の日足チャート(期近つなぎ)をご覧ください。
WTI日足(期足つなぎ)
まず、現在の水準は5月安値43.76と昨日高値52.00の38.2%押し(赤のライン)にあたる48.85水準にあることがわかります。ここよりも下の水準では同じく半値押しの47.88は目先のターゲットです。さらに61.8%押しの46.91は4月高値(53.76)を起点に5月安値までの下げ、その後の昨日までの上げという逆N波動から計算するフィボナッチ・エクスパンションの50%の47.00とほぼ同値であり、現在の安値のターゲットとして47ドル水準はもっとも可能性が高い水準です。
同水準を下回ると5月安値43.76を視野に入れる展開が予想されますが、上記フィボナッチ・エクスパンションの61.8%が45.82、5月安値と高値との78.6%(61.8%の平方根)が45.52、更には1月3日の年初来高値となる55.24を起点に、3月安値37.01までの下げとその後の戻しとなった4月高値53.76という逆N波動から計算するフィボナッチ・エクスパンションの100%が45.50と45ドル台半ばもターゲットとされやすい水準です。
まとめておくと、原油価格は材料出尽くしと供給過剰懸念から下げやすい地合いへと転じ、最初は47ドル水準、次が45ドル台半ばをターゲットとしている流れと考えられます。
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