前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.78 114.16 110.67 111.54
ユーロ円 127.03 127.16 125.10 125.77
ユーロドル 1.1165 1.1343 1.1058 1.1274
日経平均 17155.52 17291.35 16613.69 16724.81
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
3月14日(月)
東京市場では日銀金融政策決定会合、FOMCと日米両国の金融政策イベントを前に様子見が継続。どちらも変更は無いと考えられているものの、会見においてどのような話が出て来るのか、ECB理事会後のドラギ総裁発言の直後でもあり、積極的な取引が手控えられました。海外市場に移ってからはイランの原油増産に反応しWTIが36ドル台へと下げた動きから、資源国通貨安、クロス円安の動きとなりました。ユーロ円も一時126.08レベルまで水準を下げ、その後やや戻しての引けとなりました。
3月15日(火)
日銀金融政策決定会合を前にストップを付ける動きも見られたものの、現状維持との結果公表後は原油安に引っ張られる形で円買いの動きとなりました。海外市場に移ってからもドル円は原油、株式市場を見ながら水準を下げ、NY市場の朝方には112.63レベルの安値をつけました。引けにかけては原油、株価とともに値を戻し113円台に乗せてのクローズ。いっぽう、ユーロドルは狭い値幅での膠着状態が続き、結果としてユーロ円が125.10レベルまで水準を切り下げ、ドル円同様やや値を戻して引けました。
3月16日(水)
ドル円は前日に下げた調整に加え東京市場では実需のドル買いも出ていた様子で、FOMCまでじり高の動きを続けました。結果は予想通りだったものの、見通しについて思った以上にハト派な内容で、これまで利上げ思惑を後退させてきた市場参加者の思惑に当局が歩み寄ってきたような印象を受けました。またFF金利に関しても昨年12月時点では2016年末までに計1%の利上げが見込まれていたのに対し、今回は0.5%へとさらに緩やかな利上げペースを示すものとなりました。
3月17日(木)
ドル円はFOMC後のドル安の動きを受け、東京市場でも上値の重たい展開を続けていましたが、後場に入り株式市場が大幅安となる中、一段安となりもみあいの下限となっていた112円台前半を下回りました。欧州市場に入ると、ドル円とユーロドルとが相互にドル安を争う展開となり、ドル円は2月のダブルボトムとなっていた111円前後のサポートをも下回り、一時110.67レベルの安値を付けました。ユーロドルも一時1.1344レベルまで水準を切り上げ、2月高値まであと一歩の水準に迫る動きとなりましたが、ドル円同様荒っぽい動きの後、ドルの上値が重たい地合いでNYを引けました。
3月18日(金)
金曜の為替市場は、FOMC後のドル売りに対して週末前の調整も入り動意は薄かったものの終日ドルの買い戻しが目立ちました。日経平均株価こそ上値が重たかったものの、海外の株価指数やWTI原油先物は底堅い動きを続け、周辺市場の動きもドル円を下支えしました。ユーロドルも前日の高値圏からじり安の推移を続けての週末クローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
3月21日(月)
**:** 東京市場休場
17:15 (リッチモンド連銀総裁講演)
18:00 ユーロ圏1月経常収支
18:00 フィンランド中銀総裁講演
21:30 米国2月シカゴ連銀全米活動指数
23:00 米国2月中古住宅販売件数
25:40 (アトランタ連銀総裁講演)
3月22日(火)
09:30 豪州10〜12月期住宅価格指数
14:15 豪中銀総裁講演
18:00 ドイツ3月ifo景況感指数
18:30 英国2月CPI、PPI
19:00 ドイツ3月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏3月ZEW景気期待指数
22:00 米国1月住宅価格指数
23:00 米国3月リッチモンド連銀製造業指数
26:30 シカゴ連銀総裁講演
3月23日(水)
08:00 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
21:40 ドイツ連銀総裁講演
23:00 米国2月新築住宅販売件数
23:30 米国週間原油在庫発表
24:00 ユーロ圏3月消費者信頼感速報値
3月24日(木)
06:45 NZ2月貿易収支
08:50 日銀金融政策決定会合(14・15日)主な意見公表
16:00 ドイツ4月GFK消費者信頼感
17:00 フランス3月製造業、サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ3月製造業、サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏3月製造業、サービス業PMI速報値
18:00 3月ECB月報公表
21:00 トルコ中銀政策金利発表
21:15 セントルイス連銀総裁講演
21:30 米国2月耐久財受注
21:30 米国新規失業保険申請件数
22:40 米国3月MarkIt製造業PMI速報値
3月25日(金)
**:** シドニー、香港、シンガポール、欧州、LDN、NY主要市場休場
08:30 本邦2月CPI、東京区部3月CPI
16:45 フランス3月消費者信頼感指数
16:45 フランス10〜12月期GDP確報値
21:30 米国10〜12月期GDP確報値
3月27日(日)
**:** 欧州、英国夏時間移行
今週の週間見通し
一連の金融政策決定会合イベントを通過し、先週のドル円は一時110.67レベルと年初来安値を更新しました。先々週のドラギ総裁発言によるユーロ買い(ドル売り)の動きが最初のきっかけ、そしてFOMCの内容が思った以上にハト派よりだったことから為替市場ではドル売り一色の流れとなったわけですが、逆に米国株は利上げ思惑後退を好感して買われ、WTI原油先物限月交代効果があるとはいえ、40ドル台でしっかりした動きとなってきています。
ドル円に関しては安値更新の動きで短期的な達成感があったこと、また114円からの下げが戻しも無くスピードがやや速かったことからいったん踊り場を作る流れとなってきた様子です。また、2月の111円前後のダブルボトムを下抜けたとはいえ、ザラバベースの下ひげでのトライであり、終値ベースでは戻したことも一段の売りを控えさせているチャートと考えられます。
しかし、これまで長く続いた112円台前半と114円台半ばのもみあいを下抜けたことを考えると長期的な円高トレンドには変化は無く、もみあいの下限となっていた112円台前半で上値を抑えられるようだと、次の流れは日足チャートのピンクの逆N波動で示した161.8%のターゲット109.42、あるいは近いところで110円の大台、といったところを視野に入れる展開となってくるでしょう。
今週は材料的には一連のイベントを経過した後で、細かな経済指標はあるものの金曜はグッドフライデー(イースター前の金曜日)で、クリスマスと並び東京以外の主要市場が全休場となります。そうした点では今週はもみあいで様子見を続けやすいということになるのですが、気になる点もあります。これは先週も「14日から15日にかけてはドル円でドルが売られやすい時間帯となっていて」と書いて、実際にそこからのドル下落が始まっています。
今週は、23〜25日が重要な変化の日柄となっていて、為替市場だけでなく、株式市場(特に米国)、商品市場で変化(反転)につながりやすい時間帯にあると言えます。為替市場ははっきりしない面はあるものの、NYダウやWTI原油先物が強い動きを続ける中、反転ということになると、これは素直にリスクオフのドル売りにつながりやすく、先週までのドル安トレンドに回帰しやすいと考えられます。
木曜の海外市場以降は参加者が徐々に減っていきますので、リキディティの低下が思わぬ値動きにつながる可能性もあるため十分な注意が必要でしょう。今週は下値リスクの不安を織り込み、大台110.00レベルをサポートに、112.50レベルをレジスタンスとする見通しとします。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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