ランド円レポート月曜版
まず先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「7.00レベルをサポートに、7.30レベルをレジスタンスとする流れ」と予想を立て、実際のレンジは安値が7.13レベル、高値が7.46レベルとややランド高の方向にずれていました。まあ、許容範囲というところでしょうか。
さて、今回はランド円に限らず、クロス円を見る時には、その通貨ペアのベースとなる対ドルのチャートも併せてみることが望ましいという一般的な話をさせていただきます。
ランド円の場合、FXで取引を行う際は我々個人投資家は何も気にせずにランド円の取引を行うことができますが、FX業者のカバー先であるインターバンク市場にはランド円という市場はありません。これは、ドル円とドルランドの取引を組み合わせてランド円を合成して作ることとなります。クロス円という名前もそこから来ているのですが、まずは下のチャートをご覧ください。
ドル円・ランド円・ドルランド日足
上から、ドル円(USD/JPY)、ランド円(ZAR/JPY)、ドルランド(USD/ZAR)の日足チャートとなっています。皆さんが取引するときに見ているのは中段のランド円ですが、先ほど書いた通りこの中段のランド円は上段のドル円と下段のドルランドをもとに計算されたものが提示されています。
先週末、2月19日のNY終値を見てみます。
USD/JPY=112.63
USD/ZAR=15.3846
そして、これら2つのドル円とドル外貨の組み合わせの場合、「ドル円÷ドル外貨」で外貨円、つまりこの場合はランド円が計算されます。112.63÷15.3846=7.321となりますので、2月19日のNY終値を見てみます。
ZAR/JPY=7.31
ほとんど、同じレートであることが確認できます。Bid/Askのスプレッドや終値として示される最終取引時間のわずかな違いで1銭の違いが出ている程度です。
参考までにEUR/JPYのように、USD/JPYとEUR/USDのようにドル円と外貨ドルの組み合わせでは「ドル円×外貨ドル」で外貨円が計算されます。通貨コードで示すときに、USDが左側であれば割り算通貨、USDが右側であれば掛け算通貨と覚えておけば簡単です。
さて、話を最初に戻します。先週は予想よりも「ややランド高の方向にずれて」いたのですが、ドル円だけ見ていると結構円高に進んだのに対して、ランド円は思ったよりもランド高(円安)ということになります。その要因としてはドル円以上にドルランドでドル売り(ランド買い)の動きがあったということになるわけです。
つまり、ランド円に限らずどのクロス円を見る時でも、ドル円、ドル外貨、外貨円の3つの動きを見た上で、今はどの通貨ペアがリードしているのかを考えると、方向性を見誤りにくくなります。今回のケースでは、ドルランドにおけるドル売り(ランド買い)の動きが、リスクオフから来るドル円でのドル売り(円買い)よりもリードしていたと考えることができます。
さて、今週の南アフリカの経済指標は25日のPPI程度ですし、ドル円も週末のG20を前に積極的には方向性が出にくいと考えられます。今週の予想レンジとしては、引き続き若干ドルランドでのランド買いが継続しやすく7.10レベルをサポートに、7.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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ランド円ショートコメント(2016年2月15日)
以下は、ランド円の4時間足チャートにドル円の4時間足チャートを併記したものです。
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