今週のランド円
金曜にも触れましたが、年初からのリスクオフの動きがようやく落ち着きを取り戻してきました。これで危機が去ったとまでの楽観論を述べる人は誰もいないでしょうが、行き過ぎ感については短期的に自律反転の動きを見せたと考えてよいでしょう。
ランド円こそ1月11日にとんでもない安値(1日で10%近い動きは通貨ではそうそうあるものではありません)を付けたこともあって、その後は落ち着いた動きをしていたと言えます。今週はドル円と同様に戻しの限界点を探る展開というのが新興国通貨の流れになると考えられます。そうした、大きな前提を踏まえたうえで今週はランド円についての材料をファンダメンタル、テクニカルの両面から探ってみましょう。
まず、ランド円の動きに影響を与える金融政策決定会合が今週は3つもあります。
26〜27日 米国FOMC
28日 南ア政策金利発表
28〜29日 日銀金融政策決定会合
今回のFOMCについては、金融政策自体には何も変更は無いものの、次回3月のFOMCで2回目の利上げ(コンセンサスでは3, 6, 9, 12月に0.25%ずつ)が行われるかどうか、文言から読み取れるものがあるかを確認することとなります。外部環境から利上げ観測が後退するようであれば株式市場が好感し、もう一段のリスクオフ巻き返しにつながる可能性がありますが、逆に粛々と利上げを行うような文言があると、株式市場は売りが出やすくなりそうです。いずれにしても現状ではリスクオン、リスクオフの観点から株式市場の動向を見て、そして為替市場を見ることとなります。
南アの政策金利については、コンセンサス通り0.5%の利上げが行われ2回連続の利上げで6.75%になると思われます。これはランドにとっては買い材料とされるでしょうが、もし前回同様に0.25%の利上げとなった場合には、ランド売りにつながる可能性が高そうです。
最大の注目は日銀でしょうか。これまでは来期4月以降の追加緩和思惑が強かったのですが、先週は1月の会合で追加緩和という思惑が出始めました。ただ、12月のECBしかり、日銀の補完措置しかり、市場参加者が期待するものが出てこなければ逆に失望に変わりますので、要注意となります。
3つの会合によりそれぞれがどのように出てくるのかは蓋を開けてみないとわからないものの、どちらかというと失望リスクの方が現状では高いように思われます。
それでは、チャートを見てみましょう。
ランド円日足チャート
日足チャートにボリンジャーバンド(20日±2σ)を重ねて表示したものです。
12月からの下げでは下限を割り込むと反発しながらも、中心の移動平均線を上回ることが出来ない展開が続いてきました。今回はかなり近づいてきていて、動き次第では移動平均線を上回る可能性が高まっています。週初の段階では12月に入ってからの戻し高値(8.23レベル)と最安値(6.57レベル)の38.2%戻しに当たる7.20に位置していて、次のターゲットとして半値戻しの7.40を意識する展開にあるのが現在の状況と言えるでしょう。今週は、大台7.00をサポートに、7.40をレジスタンスとする週と見ています。
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