ドル底堅いが目先は調整の動きにも要注意(5/18夕)

18日の東京市場はドルが小安い。137円半ばを中心とした高値圏ではあるものの、ドルは上げ渋りの様相だった。

ドル底堅いが目先は調整の動きにも要注意(5/18夕)

ドル底堅いが目先は調整の動きにも要注意

<< 東京市場の動き >>

〇ドル円、137円台後半で何度か高値を試すも上値重く、16時現在137.50-55レベルの取引
〇米債務上限問題に対する楽観的な見解が昨晩からのドルの買い要因に
〇137円台後半でのトリプルトップ形成にも見えるがリスクは依然ドル高か
〇138円を超えれば次の強い抵抗は139円半ば、140円を目指す展開も
〇本日海外時間はフィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件、FRB高官発言等要注視
〇本日欧米時間の予想レンジ136.80-138.20

18日の東京市場はドルが小安い。137円半ばを中心とした高値圏ではあるものの、ドルは上げ渋りの様相だった。

ドル/円は、137.65-70円で寄り付いたものの上値が重い。何度か上値を試す局面も見られたが、前日高値137.71円レベルを大きく超えていくには至らなかった。むしろ、夕方に掛けては若干売りに押される格好。16時現在では137.50-55円、ドルは小安い水準で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、発表された4月の豪雇用統計が悪化したことを嫌気し、一時豪ドル売りが先行。対円では91円台後半から91.10円レベルまで値を崩す局面も。

一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、日本時間17日早朝に実施された「バイデン大統領と議会指導者の債務上限問題の再交渉」も特段進展なし。しかしバイデン氏の不在、G7サミット参加期間中も水面下では交渉が実施される見通しで、それもあり与野党双方から楽観的な見解から発せられていた。共和党のマッカーシー下院議長から「週内の合意は可能」とのコメントが聞かれたほか、バイデン氏からも「米国がデフォルトにならないよう合意できると確信している」との発言が取り沙汰されていたようだ。合意に向けたしっかりとしたエビデンスはないものの、金融市場はそれら発言を好感している模様。

対して後者は、トルコのエルドアン大統領から、18日が期限となっていた黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)について、「2ヵ月間延長された」と発表され話題に。そうしたなか、ウクライナ外務省がキーウを訪問している中国の李ユーラシア事務特別代表に対し、ロシアとの停戦について「領土を失うか、紛争が凍結されるような提案は受け入れられない」と伝えたことを明らかにしていた。一方、それとは別に19日からのG7広島サミットについて、ウクライナ大統領府のジョウクワ副長官が「ゼレンスキー大統領が重視している」としたうえで、「形式は分からないが確実に参加する」と述べていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円は、2日の137.78円にほぼ面合わせした137.71円の高値を示現。チャートを見ると3月に記録した年初来高値137.91円と合わせ、トリプルトップをつけたようにもみえるところが少し気掛かり。上昇スピードもなかなか速いところは気掛かりながら、基本的なリスクはやはりドル高方向か。ちなみに、138円を超えていけば次の強い抵抗は139円半ば。140円を目指す展開も否定できないようだ。
市場では米金融政策が引き続き注目を集めるなか、もうひとつ関心を集めていた米債務上限問題は先でも取り上げたように、バイデン氏ら与野党双方から楽観的な見解から発せられるとドルの買い要因に。予断を許さないものの、よほどマイナスの見解でも示されない限りはドルの支援要因になるとの見方もある。一方、それとは別に明日からいよいよG7広島サミットがはじまることもあり、目先は日本発の各国政治あるいは国際情勢を警戒する声も聞かれている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は137.91円の年初来高値を視界内に捉えた動き。リスクはドル高方向にバイアスが掛かり、138円方向に向けたドルの続伸が期待されていることは間違いない。
しかし、ポジションの偏りもあることで目先は調整を指摘する声もある。その場合、昨日「しっかり」と上抜けてきた感のある200日線をめぐる攻防に注目だ。再びNYクローズで下回ってしまうと元の木阿弥、ドルの上値トライはまたもや「ダマシ」の可能性も。

本日は米経済指標として、5月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、ジェファーソンFRB理事による講演など要人の発言機会も少なくない。また、明日からのG7サミットに向け要人が続々来日するだけに、それら要人による発言にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.80-138.20円。ドル高・円安方向は年初来高値を含む137.80-90円の攻防にまずは注目。超えれば当然138円台乗せもありそうだが、明確な上値メドは139円台か。
対するドル安・円高方向は、137.10円近くまで徐々にレベルを切り上げている200日線が最初のサポートか。ザラ場ももちろん、NYクローズで維持できるかに引き続き要注意だ。

ドル底堅いが目先は調整の動きにも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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