ドル円、104円台前半でじり安。米感謝祭突入で動意に欠ける展開
〇ドル円米祝日で商い閑散104円台前半での推移
〇ユーロドル欧州序盤に1.1941まで上伸後反落、一時1.1885まで下落する場面も
〇ドル円104円台半ばのレジスタンスに阻まれ上値の重さ再確認
〇ファンダメンタルズもドル円下落の不安材料多い
〇本日は米祝日明けながら休暇とするケースも多く引き続き動意薄か
〇本日の予想レンジ:103.90ー104.60
海外時間の為替概況
26日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@日本時間早朝(11/26)に発表された米FOMC議事要旨にて12月追加緩和の可能性が示されたこと(ドル売り)や、A新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリスク回避ムードが再燃したこと(円買い)等が重石となり、米国時間午後にかけて、安値104.21まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、104.25近辺で推移しております(米感謝祭で市場参加者減少する中、米国時間は終始閑散商い)。
26日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。欧州時間朝方にかけて、一時1.1941(9/1以来、約3ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、@ドイツ12月GFK消費者信頼感指数(結果▲6.7、予想▲5.0)の冴えない結果が続伸を阻むと、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(メルケル独首相は「新型コロナウイルスの感染抑制を目的に規制は当面続く」と発言)や、BECBによる根強い追加緩和観測(ECB議事要旨で「新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした景気回復の遅れや低インフレの長期化」に懸念)、C欧州当局者によるユーロ高牽制の思惑、D英国と欧州連合のFTA交渉の先行き不透明感が重石となり、米国時間には一時1.1885まで反落する場面も見られました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1915近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、11/18にかけて一時103.64まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(今週に入り、反発に転じるも、4日連続で一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドが密集する104円台半ばのレジスタンスに続伸を阻まれる展開→上値の重さを再確認)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、12月追加緩和が織り込まれる米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(たとえ新型コロナワクチンの供給が開始されたとしても世界中に行き渡るまでには相当な時間を要するとの慎重な見方)、E日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数急拡大→本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米国債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる材料が引き続き沢山残っている状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。欧米株や欧米長期金利の動向や、新型コロナウイルスの感染拡大状況を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(※本日は米感謝祭明けとなりますが、例年この時期は連休を取得する市場参加者が多いことから、本日も引き続き動意薄の相場展開が予想されます)。
本日の予想レンジ:103.90ー104.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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