前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 102.20 103.29 101.41 102.52
ユーロ円 112.82 114.80 111.38 114.20
ユーロドル 1.1039 1.1170 1.0971 1.1137
日経平均 15153.08 15781.69 14987.79 15682.48
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
6月27日(月)
ブレグジット、そしてスペイン再選挙後の週明けということから早朝市場は緊張をもってのスタートとなりましたが、東京市場では株価が反発したこともあって、為替市場も落ち着いた動きを見せました。ドル円は101円台後半を中心としたもみあい、ユーロドルも上値は重たかったものの1.10台前半でのもみあいを続けました。唯一ポンドはじり安の展開を辿り、NY市場では金曜安値を下回り1.3119レベルの安値を示現、長期的なポンド安を見込む向きが多い中で戻しの弱い動きを続けました。
6月28日(火)
東京市場では、朝方売りが先行していた株式市場がプラス圏へと反転した動きを好感し、ドル円は底堅い展開。海外市場に移ってからも主要株価指数が全般に強い動きを見せたことで、ドル円はじり高のままNY市場では102.84レベルまで上昇し高値圏でのクローズとなりました。いっぽうユーロドルは、欧州市場前場までは底堅い値動きを続け、一時1.11台乗せも見られましたが、上がったところではまだ売りたい向きも残っていて1.10台半ばへと調整が入ってのクローズとなりました。
6月29日(水)
東京市場では株価が底堅い動きをする反面、ドル円は前日NY市場で上げた分の調整から上値の重たい展開が続きました。後場に入りようやく株価の動きに追随、海外市場でもNYダウを中心に株が続伸する動きを受け、為替市場は全般に英国発のリスクオフがいったん緩和しているとの見方から、3主要通貨ペアともに上昇。ドル円は、102.94レベル、ユーロドルも1.1131レベルまで水準を切り上げる動きとなりました。
6月30日(木)
NY市場まではブレグジット以降の踊り場継続の動きから、比較的底堅い動きとなってはいましたが、方向感のはっきりしない展開でした。NY市場で英中銀総裁が夏にも緩和を示唆する発言を行いポンドが下落、ユーロドルもつられ安となりましたが、米株を中心に株式市場は好感したことでNYダウはほぼブレグジット前の水準を回復、ドル円もユーロ円の売りを消化後は反発し、103.29レベルまで上昇し高値圏でのクローズとなりました。
7月1日(金)
ドル円は前日NY市場で103円台に乗せ、早朝には103.40レベルまで水準を切り上げていたものの、東京市場では103円台を待ち構えていた実需筋のドル売りとぶつかり、あっさりと103円を割り込みじり安の展開。海外市場に移ってからも米国3連休前の週末となることもあり、目立った材料が無い中102円台半ばでのもみあいのままクローズ。ユーロドルも欧州市場以降はドル円で先行していたドル売りの流れに追随しユーロ買いの流れ、NY市場では1.1170レベルの高値を付けたもののブレグジット直後の高値は抜けられず、やや押しての引けとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
7月4日(月)
**:** NY市場休場
16:00 トルコ6月CPI
17:30 英国6月建設業PMI
18:00 ユーロ圏5月PPI
7月5日(火)
**:** トルコ市場休場
10:30 豪州5月貿易収支
10:45 中国6月MarkItサービス業PMI
13:30 豪中銀政策金利発表
16:50 フランス6月サービス業PMI確報値
16:55 ドイツ6月サービス業PMI確報値
17:00 ユーロ圏6月サービス業PMI確報値
17:30 英国6月6月サービス業PMI
18:30 英中銀金融安定報告書公表
23:00 米国5月製造業受注指数
23:00 米国7月IBD景気楽観度指数
27:30 NY連銀総裁講演
7月6日(水)
**:** シンガポール市場休場
15:30 フランス中銀総裁講演
21:30 米国5月貿易収支
22:00 タルーロFRB理事講演
22:45 米国6月MarkItサービス業PMI確報値
23:00 米国6月ISM非製造業景況指数
27:00 FOMC(6月14・15日)議事録公表
7月7日(木)
09:30 黒田日銀総裁挨拶
10:00 NZ6月ANZ企業信頼感
20:30 米国6月チャレンジャー人員削減予定数
21:15 米国6月ADP全国雇用者数
21:30 米国新規失業保険申請件数
24:00 米国週間原油在庫発表
7月8日(金)
08:50 本邦5月貿易収支
17:30 英国5月貿易収支
18:00 ユーロ圏5月失業率
21:30 米国6月雇用統計
28:00 米国5月消費者信用残高
7月10日(日)
10:30 中国6月CPI、PPI
今週の週間見通し
今週以降は長期的な動きに向けて動きが出やすい
先々週はブレグジットの前後で106.81レベルの高値から99.00レベルの安値まで8円近く振り落とされる暴落相場となりましたが、先週はさすがに動き過ぎた後の調整局面となりました。ポンドをはじめ、ユーロも円もいったん調整を経て、いよいよ今週以降は長期的な動きに向けて動きが出やすい週となってきます。
まずは、今週の予定からですが、5日NY市場でダドリーNY連銀総裁の講演、そして6日NY市場では前回(6月14・15日)FOMC議事録が公表されます。今となってはブレグジット後ということもあって、6月FOMCで外部要因に対する懸念が示されていたとしても材料とはされにくいのですが、ブレグジットによる今後の影響を考えると7月FOMCにおける利上げもほぼその芽は無くなりました。少なくとも10〜12月期まで米国の利上げ思惑が材料とされる可能性は無くなったと言えます。
7月利上げの芽はないが雇用統計には注目
また、今週は本日米国市場が休場となる関係で雇用統計が、今週8日金曜に発表されます。上記の通り、雇用統計の数字次第でという可能性はほぼ無いのですが、今回発表される6月分と併せて前回6月に発表された予想よりも大幅に悪かった5月分に対して、上方修正が行われるかどうか合わせて見たいところです。仮に5月分、6月分合わせてそれなりに強い数字ということであれば、利上げの可能性が無くなりつつある今、米株に買いが入り結果として為替市場にはドル買いの動きが入りやすくなると考えられます。
ドル円は上値限定的
しかし、このドル買いの動きが対ポンド、対ユーロで出たとしても対円でもドル買い・円売りになるかというと、ドル円に関しては強い数字でも上値は限定的、もし弱い数字が出た場合には再び円高へと向かいやすいと考えています。テクニカルな観点からも、このあたり見てみましょう。日足チャートをご覧ください。
ドル円は、1月の日銀によるマイナス金利導入以降、着実に円高の動きとなっていますが、大きくはピンクの平行線で示した下降トレンドの中にあると考えられます。その中で、ブレグジット後の99.00レベルは短期的には安値となったと考えられますので、ブレグジット直後の高値(106.81レベル)と5月高値(111.45レベル)からのフィボナッチ戻しを計算します。すると前者の61.8%戻しが103.84レベル、後者の38.2%戻しが103.77レベルとなります。
テクニカル、需給ともに103円台では売りが出やすい地合
テクニカルには103円台後半が戻しの目安となっていると同時に、全輸出産業の採算レートが103.20(内閣府2月発表)となっていますので、103円台では実需を中心とした売りが出やすいであろうことは容易に想像がつきます。テクニカルにも、需給的にもドル売りが出やすい地合いにあるわけです。また、暴落後の先週の調整相場がフラッグ(平行四辺形)状態となっていることも気になります。
このパターンは、コンティニュエイション(継続)パターンのひとつで、急激な動きの後の小休止として現れ、しばしばそれ以前(今回は下げ)の動きを継続しやすいパターンです。つまり、この小休止による戻しの限界点が先ほどのフィボナッチ戻しで示した103円台後半と考えることが出来ます。トータルして考え、今週は101.00レベルをサポートに、103.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておこうと思います。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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