ドル円、一時105円台を回復するも結局反落。欧米株の下落が重石に
〇ドル円中国の人民元安誘導、指標不冴えによるユーロ安で105.06まで上昇後欧米株急落で104円台に反落
〇ユーロドル欧州圏のコロナ拡大、独IFO指数の不冴え
〇ドル円テクニカルには転換線、基準線に上値阻まれ反落、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも下落想起させる材料多い
〇ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:104.30ー105.10
海外時間の為替概況
26日(月)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@中国人民銀行による人民元安誘導観測(対ドル基準値で元安設定→ドル高の波及経路)や、A冴えないドイツ10月IFO景況感指数を受けた対欧州通貨でのドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値105.06まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線及び基準線に続伸を阻まれると、B米追加景気対策期待の後退や、C米中対立激化懸念(米政府が先週中国報道機関6社を外国政府の宣伝組織に認定したことへの対抗措置として、中国外務省は昨日、米メディア6社に対して人員や財務に係る情報を7日以内に書面報告するよう求めた)、D米9月新築住宅販売件数(結果95.9万件、予想102.5万件)の冴えない結果、E欧米株の急落(ダウ平均株価は800ドル超の急落)を背景としたリスク回避の円買いが重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、104.85近辺まで押し返される展開となっております。
26日(月)のユーロドル相場は下落。@欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(フランスの1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が公式発表の倍に当たる10万人程度に膨らんでいる可能性があるとの一部報道)や、Aドイツ10月IFO景況感指数(結果92.7、予想93.0)の冴えない結果、B欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買いが重石となり、欧州時間にかけて、安値1.1803まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1810近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/21には一時104.33(約1ヵ月ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(昨日は一時105.06まで反発するも、一目均衡表基準線や転換線に続伸を阻まれる形で結局反落)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク(米中による報復合戦)、C米政治の先行き不安(11/3の米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスクなど、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策を巡るヘッドラインや、欧米株及び欧米長期金利の動向(株安地合いが続くか否か)、米主要経済指標の結果(米9月耐久財受注や米10月リッチモンド連銀製造業指数、米10月コンファレンスボード消費者信頼感指数など)、米大統領選挙の行方(米大統領選挙まで残り1週間)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:104.30ー105.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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