ドル円、狭いレンジ内で膠着。米大統領候補のテレビ討論会を前に様子見ムードが継続
〇ドル円テレビ討論会前に様子見気分強い105円台半ばから後半での推移
〇ユーロドル月末需給要因で一時1.1746まで上昇
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルズとも戻り売り優勢の展開を示唆
〇月末需給要因注意、本日テレビ討論会は日本時間10:00から
〇本日の予想レンジ:105.00ー106.00
海外時間の為替概況
29日(火)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方に一時105.35まで下げ幅を広げるも、前日安値105.26をバックに下げ渋ると、@米7月ケース・シラー住宅価格指数(結果3.9%、予想3.6%)及び、A米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果101.8、予想90.0、本年3月以来の高水準)の良好な結果や、B米追加景気対策期待(ペロシ下院議長とムニューシン米財務長官が米景気対策について協議実施)が支援材料となり、米国時間には、一時105.74まで上昇する展開となりました。もっとも、米大統領候補のテレビ討論会を前に様子見ムードも根強く、伸び悩むと、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、105.64近辺で推移しております。
29日(火)のユーロドル相場は急上昇。@欧州時間に発表されたユーロ圏9月経済信頼感指数(結果91.1、予想89.5)の良好な結果(ユーロ圏の景気回復期待→ユーロ買いの波及経路)や、A月末ロンドンフィキシングを前にした需給要因(ユーロ買い)が支援材料となり、米国時間には、約1週間ぶり高値となる1.1746まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1740近辺での底堅い動きが続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/28に記録した高値106.96をトップに反落に転じると、9/21には一時104.00(約半年ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(足元反発に転じるも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが密集する105円台半ばで伸び悩む展開が継続)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不安、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3に予定されている米大統領選への警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(世界のコロナ死者数が100万人を突破)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。財政の崖リスクの顕在化)、H英合意無き離脱リスクの再燃など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「戻り売り優勢」の展開が見込まれます。株式市場の動向(昨日の米主要株価指数は再び下落に転じる)や、米中対立及び英国情勢に関するヘッドライン、米主要経済指標の結果(米大統領候補のテレビ討論会や、米9月ADP雇用統計、米第2四半期GDP確定値、米9月シカゴ購買部協会景気指数など)、新型コロナ第2波に関する続報(NY市で新型コロナウイルスの1日の陽性率が3%を超えたとの一部報道あり)、月末特有の需給要因(日本時間9時55分に発表される本邦公表相場や日本時間24時のロンドンフィキシング)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日のメインイベントである米大統領選の第1回テレビ討論会は日本時間午前10時に開始されます。
本日の予想レンジ:105.00ー106.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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